いまやキングオブコントは芸人役者への登竜門 なぜM-1 出身者よりも圧倒的に多いのか

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コント出身者の魅力

「『チュートリアル』の徳井義実や『サンドウィッチマン』の富澤たけし、『霜降り明星』のせいや、おいでやす小田などが大役をもらって注目されましたが、全体的には少ないですね」

 かつて天才漫才師と呼ばれた横山やすしは、そのキャラを買われて俳優の道にも進んだが、大ヒットとはならなかった。最近でも、「ナイツ」の塙宣之が「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日)で見せた“棒演技”が、また、「千鳥」のノブが朝ドラ「なつぞら」(NHK)で見せた“大根”ぶりが、それぞれ話題になった。漫才出身で俳優として成功したのは、ビートたけしくらいだろうか?

「たけしさんが売れたのはツービートの漫才でしたが、彼自身はコントで修行した人です。コントの素養があったからこそ、役者として成功したのかもしれません」

 キングオブコントで優勝こそしていないが、準決勝に進んだ「ドランクドラゴン」の塚地武雅は、映画「間宮兄弟」(06年)で佐々木蔵之介と共にW主演し、日本アカデミー賞やブルーリボン賞、毎日映画コンクールで新人賞という金字塔を打ち立てた。

 なんだか、キングオブコントは今や役者への登竜門のようにも……。

「やはりM-1王者など漫才で注目された芸人は、フリートークでの実力が求められます。それがハマれば人気芸人として次のステップに進めますが、上手くいかなければ半年で消えてしまうことも珍しくありません。ところがコント出身者の場合、どちらかといえばフリートークよりもキャラクターで勝負するタイプが多い。コント自体が芝居仕立てですから、演技力が求められます。コントが面白い芸人は、意外な演技派として魅力的に映るのです」

 今年のキングオブコントで歴代最高得点で優勝した「ビスケットブラザーズ」は、早くもドラマ界から注目されているという。

「芸人役者デビューは時間の問題でしょう。準優勝だった『コットン』のきょんは、三谷さんが激推しの芸人ですから、芸人役者デビューは間違いないと見ています」

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