「55年間も日記を書き続けた有名貴族」が「源平合戦」の勃発を記さなかった“意外な理由”
もしあなたが日記をつけていれば、今年2月24日のウクライナ戦争の勃発や、7月8日の安倍元首相銃撃などの重大事件については、ひと言ぐらい意見や感想を書くだろう。ましてや政治家や文学者であれば、大いに論じずにはいられないはずだ。
ところが不思議なことに、平安鎌倉期を代表する歌人・藤原定家の日記には、当時の大騒乱であった「源平合戦」勃発に関する記述がほとんどない。
この謎について、昔から多くの文学者や歴史家が議論を繰り広げてきたが、人気歴史学者・呉座勇一さんの新刊『武士とは何か』には、新しい見解が示されている。...