巨人 松田宣浩の獲得に思うこと【柴田勲のセブンアイズ】
まさか現実になるとは…
巨人がソフトバンクから戦力外通告を受けて退団した松田宣浩内野手(39)を獲得した。
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広島から長野久義(37)を無償トレードで獲得したと聞いて真っ先に思ったのは巨人の「温情」だった。だが、今回の松田獲得には「ビックリ仰天」した。
確か10月頭には獲得調査をしていると聞いてはいた。私はハナから反対していたし、まさか現実になるとは…なにかの間違いだと思ったし、全く理解できない“補強”だ。
長野は18年オフにFAで加入した丸佳浩の人的補償で広島に移籍していた。巨人は人的補償のプロテクト枠からは外していたという経緯があった。巨人は想定外でずっと申し訳ないという思いを抱えていた。
長野が現役の晩年を迎え、広島が親心で無償トレードを巨人に打診して巨人もまた温情で復帰へ手を差し伸べた。理解できる。
だが今回の松田には何度でも言うが、なぜ獲ったのか分からない。ソフトバンクから「来季の契約を結ばない」と通告された選手ではないか。他球団が要らないという選手を獲得する。ありえない。原辰徳監督、フロントはなにを考えているのか。
若い選手の起用をもっと増やすべき
松田はソフトバンク一筋で今季17年目を迎えた。15年連続で開幕スタメン出場したものの5月以降は出場機会が減って自己最少の43試合だった。成績の方もここ2、3年は落ちる一方だった。今季は打率2割4厘、7打点、本塁打0だった。
巨人の右打者のベテランは40歳の中島宏之、37歳の長野、松田で3人になる。一塁と三塁をこなせるという。
松田本人は現役続行に強い意欲を持っていたという。選手の立場からすればそういう気持ちにもなる。いまは37、8歳くらいまでやる選手がいる。実際、福留孝介は45歳までやった。なんでもダメと言うつもりはないが、松田に上がり目があるとは思えない。
そりゃ、野手でここ2、3年不調だとか、投手で言えば肩やヒジがよくなれば復活の可能性があるというのならわかる。しかし松田にその可能性はあるか。大いに疑問だ。
巨人には若い伸び盛りの選手たちがいる。ベテラン3人がベンチに入ったら2人は抜ける。代走要員や守備固めの選手はどうするのか。出番がなくなる。なら増田陸らをもっと起用した方がいい。松田はピンチランナーで出場できるのか。
ドラフトでは1位で高校生の浅野翔吾、2位で大学生の萩尾匡也を獲得した。どちらも右打者だ。浅野は2、3年先を見ているのかもしれないが、萩尾は即戦力候補だ。いずれにせよ松田にチャンスを与えるよりもこの2人の育成を先に考えるべきだろう。
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