【鎌倉殿の13人】史書では病死…北条義時はどんな最期を迎えるのか

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義時暗殺犯はトウ?

 ラストは純粋な心を取り戻した義時が、その隙を突かれる形で刺殺されると読む。南北朝時代に成立した歴史書『保暦間記』にも義時は名もない近習(近くで仕える家来)の小侍に刺し殺されたとある。

 三谷氏は「名もない者に刺される」という部分を採用するのではないか。暗殺犯の最有力候補は名もない刺客・トウ(山本千尋[26])である。

 トウは両親の仇である刺客・善児(梶原善[56])を討った。けれど、平凡な農民になるはずだったトウを天涯孤独の身に陥らせ、血生臭い世界に引きずり込んだのは義時を中心とする武家社会にほかならない。その構図にトウが気づいたら、義時への憎悪がこみ上げるはずだ。

 トウによる義時暗殺に依頼主がいるとしたら、泰時か政子(小池栄子[41])だろう。2人ともこれまで常識人だったが、義時の専横に業を煮やし、殺す。身内でも容赦しないのは北条家の血だ。

 義時が悪党のまま死んでいったら、単純すぎて三谷氏らしくない。
三谷氏があえて創作したトウがこのままで終わるとも思えない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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