木村拓哉50歳になっても「奇跡の人気」を誇るのはなぜか イベントに100万人集めた力を徹底分析

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

ずっとインフルエンサーだった

 11月13日で、木村拓哉が50歳を迎える。6日におこなわれた『ぎふ信長まつり』には1万5000人分の立ち見の観覧席に、市の人口の2倍を超える96万6555人が応募するなど、“キムタク人気健在”であることを証明した。ブレイクから四半世紀以上。その人気はどう変遷してきたのか?その人気を支えるものは何なのか?『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著者・霜田明寛氏が分析する。

 ***

 90年代・20代の木村拓哉がスターだったことは誰もが認めるところだろう。Supremeの服、リーバイスのジーンズ、クロムハーツのシルバーリングetc……彼が身につけるものは同性も多く買い求め、今でいうインフルエンサー……といった言葉にまとめてしまっては陳腐すぎるほどに、流行を作り出す活躍ぶりだった。

 では、2022年・50歳になる木村拓哉はどうなのだろうか?

 最近の木村拓哉関連のニュースで最も話題になったのは『ぎふ信長まつり』である。木村が信長役を演じる映画『THE LEGEND&BUTTERFLY』のプロモーションではあるが、馬にまたがる木村を生で見ることができ、写真を撮ることも可能。このイベントに96万6555人の応募があった。倍率は64.4倍だ。本番では、落選した人々も駆けつけたという。

『ホーキンス AIR』の広告のポスターが

 この数字や、当日の「タクヤー!」と声援の飛ぶ光景に「木村拓哉見られるならそれくらい応募は来るよね」と当たり前に感じる人もいれば「まだそんなに人気あったんだ」と驚く人もいるかもしれない――。

 ただやはりこの数字は、木村拓哉が50歳になってもスターであることの証明と言っていいのではないだろうか。告知のために市内の公共施設や飲食店などに配布された『ぎふ信長まつり』のポスターは、オークションサイトで多く転売されており、市がやめるよう呼びかける事態に。

 1996年、木村拓哉の登場した『ホーキンス AIR』の広告のポスターが盗まれる、と話題になったが、事象だけ聞くと26年前と変わっていないようにすら思える。

 もう少し、他の数字も見ながら、木村の人気はこの四半世紀の間、どう変遷してきたのか考えることにしよう。
木村の人気を表現するときによく持ち出されるのは視聴率である。

 木村のブレイクを決定的なものにした、1996年の『ロングバケーション』最終回は、驚異の視聴率36.7%。2001年の『HERO』が最高視聴率36.8%、全話平均34.3%で全話30%越え……というのはもはや今後誰も抜けない数字だろうと言っていい。2003年の『GOOD LUCK!!』は最終回に37.6%を記録するなど、90年代から2000年代初頭にかけ、木村拓哉主演作の視聴率は常に注目を浴び、そして驚異的な数字を残し続けた。

次ページ:続編やシリーズ化が続く

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[1/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。