「團十郎」襲名披露興行、香川照之が舞台復帰という“禁じ手”に チケット売れ残りで焦りか
今月7日、2年半の延期を経た「十三代目市川團十郎白猿」襲名披露興行が東京・歌舞伎座で開幕した。初日こそ昼夜満席で、順調な滑り出しに見えたが――。
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演劇記者が解説する。
「11月分はまだ、全日の半分ほどで1等席や2等席が売れ残っています。大名跡の襲名披露としては、前代未聞の事態ですよ」
それを見越していたか、松竹と團十郎(44)は、事前の宣伝に力を入れていた。
「今月1日、歌舞伎座で世界的ポップアーティストの村上隆(60)による『祝幕(いわいまく)』と呼ばれる引幕をお披露目し、4日には團十郎が日本外国特派員協会で会見に応じた。外国メディアは忖度とは無縁で、質問は12年前に半グレ集団のメンバーから暴行を受けた事件にも及びました。それがメディアで取り上げられるなど、良くも悪くも話題を集めたはずでしたが」
会見ではイタリアメディアが「同じようなことが起こったら、日本人はどんな反応をするか」と質問。これに團十郎は“日本人の倫理観が大きく変わった”“日本人は批判の対象が現れると、よってたかって、集中的に非難する国民性の割合が多くなっている”との持論を披露。さらにことわざの“清濁併せのむ”を引き、“同じことが今日明日に起こっても、それが私自身のすべて”“何も隠すことなく、全部自分自身であるということ”と、悪びれた様子もなく言い放ったのである。
「完全に開き直ったか、まったく反省していなかったかのどちらか。ふてぶてしい態度も、チケットの売れ行きに影響しているのは間違いない」(松竹関係者)
香川照之の復帰
初日には、幹部俳優たちが舞台の上から観客にあいさつをする「口上」があった。
「尾上菊五郎(80)が“一時は暴れん坊将軍と呼ばれていました”といじりつつ、“立派な役者になられた”と持ち上げれば、片岡仁左衛門(78)は“(先代と)互いの家を行ったり来たりしていた時、うろうろしていた小さな坊やが立派になられた”と振り返った。が、ほかに面白い話もなく、結果的に彼らと團十郎との距離を感じさせました」
12月分のチケットは今月14日の発売。完売を期する松竹と團十郎は“禁断の切り札”に手を出した。クラブホステスへの性加害報道により芸能活動を自粛していた、市川中車(56)=香川照之=の復帰である。
「昼の部の『鞘當(さやあて)』の留男役を中車と市川猿之助(46)が交互に演じます。昼の部には、團十郎のほかに尾上菊之助(45)と中村勘九郎(41)による『京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)』、9歳の八代目市川新之助が史上最年少で挑む『毛抜(けぬき)』も」
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