京田陽太、杉浦稔大も危ない? 「現役ドラフト」で放出が懸念される“コスパが悪い選手”を占う
注目を浴びそうな投手は?
投手のなかで、最も人気を集めることになりそうなのが高橋礼(ソフトバンク)だろう。プロ入り2年目の2019年には先発として12勝をマークして、新人王に輝くと、翌年はリリーフに配置転換となり、52試合に登板し4勝23ホールドと見事な成績を残している。
しかし、その後の2年間はフォームが安定せずに低迷。今年はプロ入り後最低となる4試合の登板に終わった。シーズン終了後のフェニックスリーグでは好投し、先日も秋季キャンプの様子を視察した藤本博史監督が名前を挙げて評価するコメントが出ていることを考えると、放出される可能性は低そうだが、なかなかいないタイプの本格派アンダースローだけに、もしリストに名前があれば、手を挙げる球団が多くなることは間違いない。
投手でもう1人面白い存在になるのが、二木康太(ロッテ)だ。ドラフト6位でのプロ入りながら、3年目からは先発ローテーションに定着。二桁勝利こそないものの、これまで126試合に先発して通算41勝をマークしている。
だが、前出の高橋と同様に、過去2年間は低迷。今年は、一軍定着後で最低となる2勝と苦しいシーズンとなった。今年で27歳とまだまだ若く、ロッテにとっても貴重な戦力であることは間違いないとはいえ、チームには若手で伸び盛りの先発タイプの投手が多く、今年のドラフトでは、大学屈指の実力を誇る、最速152キロ右腕の菊地吏玖(専修大)を獲得している。こうしたチーム事情を考えると、本人にとっては環境を変えることがプラスになりそうだ。
そして、高橋、二木以上に、現役ドラフトのリストに載る可能性が高いと思われる投手が、杉浦稔大(日本ハム)ではないだろうか。ちなみに、妻は元「モーニング娘。」で、テレビ東京の元アナウンサー・紺野あさ美さんである。
杉浦は昨年抑えとして28セーブをマークする活躍を見せたが、今年は防御率5点台と低迷。起用法を見ても、一貫していない印象だった。昨年の3選手を見ても分かるように、これまでも日本ハムは実績がありながら、成績が落ちてきた選手を積極的に放出しており、今年は杉浦が現役ドラフトの対象となることも十分に考えられる。
マイナスではなくチャンスに
野手で、やはり目玉になりそうなのが京田だ。筆者は、11月6日配信のデイリー新潮で、DeNAの戸柱恭孝とのトレードが浮上しているという記事を執筆した。そのトレード話がまとまらなかったとしても、中日は、ドラフトで多くの二遊間の選手を獲得しており、今年の起用法を見ると、京田が“余剰戦力”となる可能性は高い。
ただ、昨年までのプレーを見ても、ショートの守備力はやはり高く、リストに掲載されれば手を挙げる球団は少なくないはずだ。京田にとっても出場機会を得やすいチームの方が、力を発揮できることは間違いないだろう。
現役ドラフトは、実現までにはかなりの時間がかかり、球団からは不要な選手を放出するために使われるのではないかという声も聞かれるが、仮にそういった狙いだったとしても、環境が変わることで大きく飛躍する選手がいることもまた確かである。今回の現役ドラフトでの移籍をマイナスにとらえるのではなく、チャンスとして考えて驚くような活躍を見せる選手が数多く出てくることを期待したい。
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