最も自律神経が乱れる曜日は? 「ため息」は実は大切? コロナ禍でたまった体調不良のリセット法
交感神経が優位になる状態を強いられ…
人間は、意識することなく息を吸って吐き、そして脈を打ちます。また、食べ物の消化・吸収も無意識のうちに行われています。これを司っているのが自律神経です。つまり、自律神経のバランスが崩れると、生命活動の根幹である呼吸や血流が乱れることになるわけです。
そして、自律神経には交感神経と副交感神経という相反する働きを持つ2種類があり、人の臓器はこの二つの神経によって二重支配を受けています。車で例えれば、前者はアクセル、後者はブレーキと言えるでしょう。
交感神経が優位になると、血管が収縮して血圧が上がり、心拍数も上昇。心身ともに臨戦態勢に入ってアグレッシブに活動できる状態になります。
一方、副交感神経が優位になると、血管が拡がって血圧が下がり、心拍数も少なくなる。全身から力が抜けてリラックスした状態に入ります。
その時々における両者のバランスが大事なわけですが、コロナ禍においては、人間は交感神経が優位になる状態を強いられました。外に出る時は必ずマスクをし、軽々にものに触れることもできない。事あるごとに手指消毒を行い、食事の際も黙っていなければならない。気を張り続け、臨戦態勢が続いた結果、常に交感神経が優位となる状態が続いてしまったのです。車で言えば、アクセルをベタ踏みし続け、ブレーキがうまく利いていない状態です。結果、緊張し過ぎて心身が疲弊し始め、イライラしたりすることが増えます。
命に関わる事態に
こうしてアクセルとブレーキのバランスが崩れてしまうと、呼吸が浅くなり、血流が悪くなる。血液の流れが阻害されると、細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、老廃物の回収もうまくいかなくなる。その結果、体にさまざまな不具合が生じ、めまいや倦怠感、頭痛、食欲不振といった症状が出てくるのです。
しかも交感神経が優位な状態では、先ほど説明したように血圧が上がるので、心不全や心筋梗塞、脳梗塞などの疾患リスクも高まります。自律神経の乱れをそのまま放置しておくと、命に関わる事態につながりかねないのです。
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