視聴率三冠王争い 王者・日テレにテレ朝が猛烈な巻き返し 秋ドラマで明暗くっきり

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 例年、11月半ばになると、テレビの年間視聴率「三冠」の見通しが立つ。日本テレビは昨年まで11年連続で獲得しており、今年もそのはずだった。ところがここへ来て、テレビ朝日の猛追によりデッドヒートが繰り広げられているという。残り1カ月半あまり、どちらに軍配が上がるのか。

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 2021年の日本テレビの年間「個人」視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)は、全日(6~24時)が4・0%、ゴールデンタイム(19~22時)が6・2%で民放トップ。プライムタイム(19~23時)は5・9%でテレ朝と同率トップとなり、11年連続の三冠となった。

 ちなみに年間「世帯」視聴率で見ると、全日は7・4%で日テレがトップ、プライムは10・4%でテレ朝がトップ、ゴールデンは10・2%で日テレとテレ朝が同率トップと拮抗していた。

 そして今年4月に発表された2021“年度”の視聴率は、「個人」では日テレが三冠、「世帯」ではテレ朝が開局以来初の三冠となり、両者一歩も譲れない状態となった。まさに今年の年間視聴率が雌雄を決する場となるのだ。

 もっとも日テレは近年、個人視聴率の中でも商品購買意欲の高い「コア層(13~49歳の男女)」の視聴率を重視してきた。年間三冠王なんて意味があるのだろうか。民放プロデューサーは言う。

連ドラの勢いに明らかな差

「コア視聴率は購買層に直接訴える指標とあって重視される傾向にありますが、それでも年間視聴率三冠王というタイトルには重みがあるのです。昨今、地上波テレビは視聴率低下が続いているものの、民放テレビ局のビジネスモデルは崩れていません。どれほどインターネットやSNSへの広告出稿が増えたと言っても、テレビのCM効果は今も絶大です。だからこそ大手メーカーや有名スポンサーのテレビCMの量は減っていないのです。そのCMを獲得するには、民放テレビ局でNo.1の座を守らなければなりません。そのためにも、日テレは12年連続の年間トップ、テレ朝は初の年間トップを目指し、“民放の雄”になろうとしているのです」

 ここへ来てテレ朝が猛追している原因はどこにあるのか。

「10月期のドラマです。テレ朝は『相棒』(水曜21時)、『ザ・トラベルナース』(木曜21時)、そして『科捜研の女』(火曜21時)の3本立てが高視聴率を獲得し、10月以降の巻き返しに成功しています。逆に日テレは『ファーストペンギン!』(水曜22時)、『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(土曜22時)、そして『霊媒探偵・城塚翡翠』(日曜22時30分)の3本が低空飛行を続けています。そのため週間視聴率で激しい闘いになっています」

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