プロレスデビューしたフワちゃん 共演者からイジリの標的にならないワケ

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 9月25日放送の「行列のできる相談所」(日本テレビ)にて、YouTuberでタレントのフワちゃんがプロレスデビューすることが発表された。プロレスにはこだわりの強いファンが多く、プロレス愛のない芸能人が安易な気持ちでかかわると、猛バッシングを受けることもある。フワちゃんのプロレス参戦がプロレスファンからどのように受け取られるのかは未知数だった。

 10月30日放送の「行列のできる相談所」では、実際のデビュー戦の模様が放送されていた。初心者だったフワちゃんは、人気女子プロレス団体「STARDOM」に入門して、5カ月にわたる猛特訓を行い、本番に備えてきた。もともと運動神経抜群の彼女は、初めてとは思えないほど受け身やドロップキックが上手く、練習中にも指導するレスラーたちを驚かせていた。

 当日は葉月とタッグを組み、上谷沙弥&妃南組と20分一本勝負で対戦した。解説を務めたのはプロレス愛好家として知られるくりぃむしちゅーの有田哲平。フワちゃんのプロレスデビューを温かく見守っていた。

 試合では、バラエティでのおふざけモードを封印して、真剣に勝負に向き合った。ドロップキック、卍固め、ブレーンバスターなどの大技を決める場面もあった。勝負には敗れてしまったものの、全力でプロレスをやり切った彼女には会場から惜しみない拍手が送られた。

 フワちゃんがプロレスに挑むというのは一見畑違いのような気がするが、運動神経が良く、派手なコスチュームを身に着けている彼女には、もともとレスラーとしての資質があった。面倒臭いファンがいる分野にあえて飛び込んでいくというチャレンジ精神も、彼女らしくて好感が持てる。「体を張った本気のパフォーマンス」であるという点では、彼女がこれまでにバラエティ番組でやってきたロケ企画などと大きな違いはない。

テリトリーを築くことに成功

 フワちゃんの登場は、テレビの世界における1つの事件だった。カラフルな衣装を身にまとい、ハイテンションで誰にでも馴れ馴れしくタメ口で絡んでいく、謎のYouTuber芸人。そのキャラクターはもちろん最初からインパクト抜群だったし、斬新でもあったのだが、客観的に見れば「やりすぎ」の感じもあった。

 特異なキャラを背負って芸能界に飛び込んでくる人は、のちにそのキャラを持て余して苦しむことになりがちだ。「エンタの神様」出演がきっかけで人気が出たようなキャラ強めの芸人には特にその傾向があり、彼らは人気が衰えると「一発屋芸人」の汚名を着せられてしまったりする。

 フワちゃんもまた、どんなエンタ芸人にも負けないくらいのキャラの強さを持っていた。バラエティ番組でセオリーを無視して自撮り棒で写真を撮りまくる彼女は、あまりにもキャラが仕上がりすぎていて、そこからどうなっていくのかが想像しづらいようなところがあった。

 だが、余計な心配は無用だった。ブレークから2~3年経った今も、彼女はテレビの最前線で活躍している。基本的なキャラクターはほとんど変わっていないが、タレントとしての能力やポジションは格段に上がった。今では彼女を「一発屋予備軍」のように見る人はいないだろう。フワちゃんは芸能界に根を下ろし、1つのテリトリーを築くことに成功した。

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