「茂木幹事長」がヨイショと長老の信頼で浮かれて ただし永田町からは疑問の声が続々と

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麻生氏との距離が

「本当に嬉しそうでしたね。総裁、副総裁と並び立つ存在だと、誰かの口を借りてはいるものの、実質的には自身で宣言したわけで、びっくりしました。今どき三頭政治と言って理解できる人がいるのかと首を傾げるところもあったし、永田町に限りませんが、敵を作らないに越したことはないのに、あんな発言をするメリットを全く感じませんでした」(同)

 この「ノリノリ」な発言の裏にはそれなりに根拠があるようで、

「ここ最近、特に麻生氏との距離が良い方向に縮まっているようです。茂木氏はできるだけ早く首相・総裁になりたい。その後ろ盾として麻生氏を頼みとしている。一方の麻生氏は、茂木氏の名前を有力候補としてしきりに出すことがあるそうです」(同)

 麻生副総裁にはどういう思惑があるのか。

「次の総裁選が岸田首相と候補者たちとの闘いとなるか、首相退陣後に行われるものなのかはわからないですが、いずれにせよ麻生氏は、茂木氏と麻生派所属の河野太郎デジタル大臣は名乗りを上げるだろうと見ているようです」(同)

チャンスはそうない

「河野氏は麻生派所属ではありますが、前回総裁選でも麻生氏は厳しく接していました。河野氏のことを嫌っていることはなくもちろん総裁候補として評価しているのですが、他方、彼を推しすぎると派閥が割れるし、世代交代が一気に進むうえに麻生氏自身も埋没してしまう。そこへ行くとちょうど年齢的にも良く気心が合う茂木氏なんですよね」(同)

 麻生氏のお友達というだけで次のリーダーが決まってしまうとすれば何とも嘆かわしい状況である。

「茂木さんも必死なんでしょう。岸田さんより年長ですし、次の総裁選で河野さんが総裁になったら完全に自分の目は無くなってしまう。要するに、チャンスはそうないから焦っているところもかなりあると思いますよ」

 と、自民党のある閣僚経験者。仮に三頭政治の状況にあるとしたら、それは首相のプレゼンスの著しい劣化を意味しているわけだが、問題は軽々しくそんなことをテレビで話すセンスだ、とこの閣僚経験者は言う。

「茂木さんがそれを口にした時点で、倒閣宣言と受け止められても仕方ないでしょう。岸田さんには力がないから、力のある私(茂木氏)が支えていますって言い草にも捉えられますからね」(同)

 バックアップをしているのは党内の実力者とはいえ、国民の空気を読めないことでは定評のある麻生副総裁である。それだけに茂木氏も調子に乗って舌を滑らせているようでは、足元をすくわれかねないということか。

デイリー新潮編集部

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