原巨人に「森友哉が移籍しない」5つの根拠 “公開密談”は苦戦の証? オリックスに早々白旗も
「猫も杓子も巨人の時代は去った」
プロ野球では11月10日に、フリーエージェント(FA)権を行使した選手が発表される。阪神の西勇輝投手、楽天の浅村栄斗内野手は残留が決まり、市場の目玉選手は西武の森友哉捕手と日本ハムの近藤健介外野手が双璧。両選手ともに旧所属チームを含め、複数球団による争奪戦に発展することが確実な情勢だ。なかでもNPBで希少な「強打の捕手」である森は、西武が資金面を理由に白旗ムードで、オリックスと巨人で一騎打ちの様相を呈している。今季日本一のオリックスか、来季に覇権奪回を懸ける巨人か。球界の勢力図を塗り替える可能性がある移籍だけに、ファン、メディアの関心も高いのだが……。【木嶋昇/野球ジャーナリスト】
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在京セ・リーグ球団の編成担当は「オリックス有利」と断言する。
「猫も杓子も巨人という時代ではない。(11月6日に行われた)日本代表との強化試合前に、原(辰徳)監督が意味深な様子で(11月1日にFA宣言していた)森を手招きして立ち話をしたことが話題を呼んでいたが、獲得に手応えがあれば、余計な臆測を呼ぶだけだから人目がある場所で接触などしない。逆に巨人が苦境にいることを示していた。その他の状況を見ても、オリックス入りは既定路線に見えてしまう」
球界関係者の間でも森のオリックス入りを予想する声は多い。この編成担当者は4つの根拠を挙げる。まずはドラフト1位ルーキーでトミー・ジョン手術を受けた椋木蓮投手を、育成契約を前提に戦力外としたことだ。
「発表された時は森、近藤獲得との関連性を考えざるを得なかった。高年俸選手のFA移籍で発生する人的補償から逃れる措置ではないか、と。直後に巨人も梶谷(隆幸外野手)ら大量11人を同様にしたが、森獲得でより勝算があるのはオリックスではないか」
オリックスでは今季76試合に出場した伏見寅威捕手が11月7日、国内FA権の行使を表明した。入団すればライバルとなる森との競争を回避するための行使とみられ、こちらも森入団が濃厚である事実を裏付けているという。伏見は原監督と同じ東海大出身とあって、森獲得に失敗した際の巨人移籍説まで囁かれている。
吉田正尚の米移籍で資金面に憂いなし
巨人にアドバンテージがあった資金面でも、オリックスなら対抗できるという。
「吉田(正尚外野手)のポスティングシステムでのメジャー移籍が実現すれば、4億円の年俸(推定)が来季は浮く上、移籍先のMLB球団からは幾ばくかの譲渡金が手に入る。もともと資金力は豊富で、巨人とのマネーゲームにも耐えられるだろう」(同)
森は選手の自主性を尊重する大阪桐蔭高出身だ。西武入り後も茶髪、髭と巨人では御法度のスタイルで、伸び伸びとプレーしながら球界屈指の捕手に成長した。
「巨人では西武のようにはいかない。一挙手一投足にマスコミの視線が注がれ、不振なら戦犯扱い。井納(翔一投手)が今オフにあっさり解雇された。しかも編成面まで掌握する原監督が選手の生殺与奪を握っている。監督の一存で全てが決まるのは、好調時はいいかもしれないが、諸刃の剣」
対照的にオリックスはパ・リーグを2連覇したといっても、メディアの注目度は同じ関西が本拠地の阪神に比べ、圧倒的に劣る。
「それでも、森は大阪出身で小学6年生の時にオリックスのジュニアチームに在籍した。人気はなくても自分の中では印象が強い球団だった。仮に近藤もオリックスに移籍するようなら注目度は分散する。野球に集中できる環境は巨人より明らかに上」
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