ももクロ「高城れに」「手島優」「峯岸みなみ」…… アイドルとファンの「推し婚」が“ブーム”の深いワケ

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 かつては“御法度”だったアイドルやグラドルの「ファンとの結婚」、いわゆる“推し婚”が相次いでいる。その背景にあるのが、2000年代以降のアイドル業界を取り巻く環境の変化という。果たして「アイドルとファン」の関係はどのように変質したのか。

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 11月6日、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の高城れに(29)が日本ハムファイターズ・宇佐見真吾捕手(29)と結婚することを発表した。交際は約2年前に始まり、もともと宇佐見は“筋金入りのモノノフ(ももクロファンの呼称)”として知られ、当初は同グループリーダーの百田夏菜子(28)を推していたが、交際を機に高城に“推し変”。

 その5日前にはグラドルの手島優(40)が一般男性との結婚を発表し、相手は「10年来の自身のファン」だと明かしている。8月に元AKBの峯岸みなみ(29)と結婚したYouTubeグループ「東海オンエア」のてつやも「高校時代から峯岸のファンだった」と公言していた。

 スポーツ紙デスクの話。

「かつてはアイドルがファンと交際や結婚することは“業界の御法度”とされました。“高嶺の花”であるべきアイドルがファンと付き合うなど、みずからタレントとしての価値を貶め、その他大勢のファンからも猛反発を食らうと信じられてきたのです。そのため芸能事務所側も所属タレントの交際に目を光らせてきましたが、最近は事務所側もタレントのプライベートに関知しない傾向が強まり、恋愛に口出しするケースも少なくなっています」

「指原スキャンダル」の意外な評価

 アイドル業界に詳しい、芸能評論家の三杉武氏が続ける。

「たしかに昔のアイドルはファンにとって“手の届かない憧れの存在”でした。しかし05年に〈会いに行けるアイドル〉をコンセプトにAKB48が誕生して以降、アイドルとファンの距離はグッと縮まった印象です。さらに00年代からアイドルやタレントにも親近感や好感度が求められるようになり、芸能プロ側も“高嶺の花”といった売り出し方をしなくなった。そしてファン側の意識の変化を象徴するものとして〈推し〉という言葉の登場があげられます。アイドル業界で〈推し〉というワードが広く使われるようになるにつれ、ファンとアイドルの関係において“疑似恋愛”的な要素よりも純粋に応援する面が強まった」

 実際、高城や手島らの結婚についてファンからは祝福の声が数多く上がっている。

 一方で、複数のアイドルグループを抱える芸能プロダクション関係者は「業界の認識を変えた事件」の存在をあげる。

「“AKBイチの成功者”とされる指原莉乃さんが自身のファンと交際していたことが12年に発覚。AKBは“恋愛禁止”を謳っていたため、当初はファンから総スカンを食らうと見られていました。しかし発覚後、一部のファンからブーイングは起こりましたが、アイドル生命の致命傷とはならなかった。当時、指原ファンの多くは“裏切り行為”というより、“俺にもワンチャンあるかも⁉”と逆に夢のあるスキャンダルと捉えていたことに驚かされました」

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