「慰安婦少女像」撤去運動を行う韓国人たち 「少女像は偽りと憎悪の象徴」活動理由を語る
偏向的な報道
慰安婦問題が今日のように世界的な注目を浴びるようになったのは、真実の報道に背を向けたマスコミの責任も大きい。初日の集会を終えて車に乗ろうとすると、聯合ニュースの記者を名乗る女性が声をかけてきた。私たちがなぜ来たのか、どんな主張をしているのか、今後の計画は何なのかなどと質問されるのかと思ったが、記者の質問は「ホテルはどこですか?」がすべてだった。
そして、翌日報道されたベルリン発の聯合ニュースの記事は、コリア協議会の立場を代弁する広報紙と見間違えるほど偏向的な内容だった。国内で聯合ニュースの記事をそのまま書き移す他のメディアは言うまでもない。偏向的な報道はある程度予想していたが、これほどひどいとは思わなかった。
だから私は、韓日関係に関する限り、大韓民国のマスコミは「カレイ・ヒラメ族」だと言うようにしている。両目があるにはあるが一方向しか見られないためだ。
期日を過ぎても撤去されず
コリア協議会は、慰安婦が戦争犯罪の被害者でありホロコーストの犠牲者と同じだといううそにとどまらず、ベルリンの少女像を永久存置すべきだとも主張している。これは韓国の正義連とマスコミも同様の立場だ。
だがミッテ区の少女像は、都市空間芸術委員会の審議を経て1年単位で契約を結ぶ展示造形物である。契約期間が過ぎれば直ちに撤去すべきものだ。
設置直後に碑文の内容が問題になって撤去命令が出されても、コリア協議会は行政訴訟、署名運動、請願書、デモなどあらゆる手段を駆使してこれを阻止しようとした。そればかりかミッテ区議会の左派政党の支援まで要請したのだ。
左派が多数のミッテ区議会は、少女像の存置を圧倒的な票差で議決し、撤去命令を無力化した。とはいえ議会の決定は永久存置を意味するのではなく、当初の契約通り1年間だけ展示できるというものだ。2021年9月にミッテ区は、コリア協議会の申請を受け入れ、1年延長したものの、今年9月28日までと釘を刺している。つまり最初の契約から一度だけ更新し、2年間展示できるようになったわけだ。もっとも期日を過ぎても撤去されていない。
[5/6ページ]