プーチンは今日も市民を殺し続けている 戒厳令下のウクライナ・ザポリージャ州最新レポート

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走行中の車両が狙い撃ちにされる危険も

 ウクライナ国鉄のザポリージャ第1駅には、空襲警報がやむのを待ってプラットホームに向かう家族がいた。4人の子の母、アンナ・ノーチンスカ(35)は開戦後3カ月、子供を連れてイタリアのナポリへ避難した。滞在費がかさむため故郷に戻っていたが、子供の安全を考えて再びナポリへの避難を決めた。

 ウクライナでは、国防のため18歳から60歳までの男性の国外避難が禁止されていたが、最近になって3人以上の子供がいる男性は出国が許可されるようになったという。だが、実際に出国できるかどうか不安だと語った。

 10月19日午後7時すぎ、ウクライナ西部リヴィウ行きの長距離列車が出発した。避難者が増えたため22両編成にした車両は満席で、光が漏れないように窓のシェードは閉じられている。走行中の列車が狙い撃ちされ、200人もの乗客が犠牲になったことがあるからだ。

 ウクライナ国立銀行によると戦争の影響で失業率は35%、520万人に達した。ロシア軍占領地からザポリージャ市へ避難した人に支給される支援金は月にわずか2千グリブナ(約8千円)。ザポリージャ市民への支援金はたった一度、6千グリブナだったという。超物価高の欧州へ避難するか、あるいは空爆が続くウクライナにとどまるのか。いずれにせよ、厳しい選択であることに違いはない。

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