日本の太陽光発電を食い荒らす中国企業と“怪しい事業者” パネルはウイグルの強制労働で製造されている問題も
中国企業の日本市場への参入を許している現状
先に述べた米国のウイグル人権法では、新疆ウイグル産品は強制労働によるものと推定し、輸入を差止めている。「強制労働によるものではない」と立証する責任は、ひとえに輸入者側に転嫁されている。東京都も太陽光パネルの設置を義務化する以上、条例などでウイグル人権法と同等の規制を設けるべきだ。
加えて、形骸化している外為法の審査体制の見直しも必須だ。20年の改正外為法施行で、日本の外資規制は厳しい米国の規制に限りなく近づいた。が、実際に行われているのは「申請すれば誰でも必ず通る」という“骨抜き審査”である。
外為法を改正したことで、日本政府は米国に「厳格な外資規制をしています」という顔をする。しかし、実際には提出された審査書類をすべて承認することで、中国企業の日本市場への参入を許しているのが現状だ。これは中国と対峙する米国への面従腹背に他ならない。
環境に優しい未来に寄与したい――そう考える消費者が、強制労働や二酸化炭素を大量排出する石炭火力発電で生産された太陽光パネルを購入している可能性は否定できない。国際的なサプライチェーンから中国政府の苛烈な人権侵害を排除することは、日本にとっても不可欠だ。我々は再生可能エネルギーのあり方を、冷静に見直す必要がある。
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