日本の太陽光発電を食い荒らす中国企業と“怪しい事業者” パネルはウイグルの強制労働で製造されている問題も

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放置される土壌汚染

 まさに死屍累々である。メガソーラー運営会社が破産すると、そこに裁判所から破産管財人が送り込まれる。破産管財人の業務は破産した企業の資産を換金し、債権者に配当することだ。

 一般に企業が破産すると、従業員は即時解雇されるため、メガソーラー事業者の場合は施設をメンテナンスする従業員がいなくなる。仮に太陽光パネルが台風などで破損して有害物質が地中に流れ出た場合でも、破産会社には原状回復費用はなく、メンテナンス要員もいない。つまり、土壌汚染は放置されてしまうのだ。

 また、国内で約60万カ所とされる太陽光発電所のほとんどは20年間のFITを活用した投資目的で設置されている。それだけに、政府はFITの終了と同時に全国各地で太陽光発電所が野ざらしになる事態を危惧した。そこで再エネ特措法を改正し、今年7月から、事業者が将来的に発電所を廃棄・撤去する際の費用の積み立てを義務化したのである。

 太陽光発電設備の廃棄には撤去費、運搬費、そして処分費が必要になる。借地や地上権を利用した産業用太陽光発電の場合、廃棄費用のほかに土地の土壌改良費用も欠かせないからだ。これにより、太陽光発電施設の廃棄費用はFITに含まれることになった。しかし、先の改正再エネ特措法は事業者への施設廃棄費の積み立ての義務を、参入から11年目以降に生じると定めている。

山積する深刻な課題

 この積み立て義務は新規参入希望者の資金的ハードルを下げるのが目的だが、これでは10年以内に廃業した事業者には施設の廃棄費用の負担は生じない。こうして、本来は事業者が負担すべき費用は一般の電力利用者に押し付けられる。国が保証した利益を甘受しながら、果たすべき責任は放棄する。太陽光発電事業者は、文字通り「坊主まる儲け」のスキームで、ぬくぬくと私腹を肥やしているのだ。

 いまからでも遅くはない。全国の自治体はメガソーラーの事業者に開発許可を出す条件として、土地の原状回復費用の預託を課すべきだ。条例を設けることも一案だろう。その際は“逃げ得”を防ぐためにも積み立て方式ではなく、一括で預託させる必要がある。事務所や店舗を借りる際、オーナーに敷金や保証金を預けるのと同じことだ。そもそも原状回復費用を預託できないほど財務状況が脆弱な企業に、国の基幹インフラである発電事業への参入を許していること自体が非常識なのだ。

 このように太陽光発電には深刻な問題が山積しているが、東京都はその現実を見向きもしない。去る8月8日、都の環境審議会は小池百合子都知事に対して、一戸建て住宅を含む新築建物への太陽光パネルの設置を原則義務化する制度に関する答申を示した。都は年内にも関連条例の改正案を都議会に提出する方針というが、これは慎重に議論しなければならない。

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