日本の太陽光発電を食い荒らす中国企業と“怪しい事業者” パネルはウイグルの強制労働で製造されている問題も

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リストには暴力団の名前も

 なお、SDN(特別指定国民および資格停止者)リストは、米国内資産凍結、取引(決済)の禁止を伴う強力な金融制裁といえるものである。掲載者に対し、米国企業・団体・人の関与が禁止される。さらに非米国企業・団体・人であっても次のような二次制裁の対象になりうる。

(1)掲載者と取引する外国企業・金融機関も同様の制裁対象になる

(2)掲載者と取引する場合だけではなく、制裁対象行為に関与したり責任を負う企業等も制裁対象となる

 つまり、新疆ウイグル自治区における強制労働への関与として、製品、技術、サービスの提供を含む実質的な支援を行った日本企業は、将来的にSDNリストに掲載されて制裁を受ける事態も起こり得るのだ。仮に、米ドル建ての送金凍結制裁を受ければ、その日本企業はたちまち経営破綻に追い込まれるだろう。

 ちなみにSDNリストにはロシアのプーチン大統領やベラルーシのルカシェンコ大統領のほか、日本の指定暴力団・山口組や住吉会といった反社会的勢力も記載されている。すでにイギリス、フランス、ドイツなど欧州諸国やカナダ、オーストラリアでも、米国と足並みをそろえ、2020年12月に「グローバル人権制裁制度」を導入している。もはや「人権問題は経済安全保障と密接不可分」という考え方は、世界中に浸透しているのだ。

欧米から白眼視されるリスク

 今年5月、強制収容所におけるウイグル族への残酷な仕打ちとその実態を裏付ける「新疆公安ファイル」が流出し、世界中のメディアがこれを報じた。ファイルには2万人以上の収容者のリストやおよそ2900人もの顔写真、加えて中国共産党幹部が弾圧を指示した生々しい発言などが記されており、中国当局による非人道的な行為が白日の下にさらされた。

 これにより、西側諸国を中心に人権デューデリジェンス(人権リスクの是正)に関連する法規制の強化に向けた議論の活発化が進んでいる。日本企業は欧米から白眼視されるリスクを取ってまで、新疆ウイグル自治区で製造された部材を使用するのか――。日本の経営者には、人道的な観点からの決断が迫られている。

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