日本の太陽光発電を食い荒らす中国企業と“怪しい事業者” パネルはウイグルの強制労働で製造されている問題も

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多大な犠牲を強いられる労働者

 二人による報告書は「白昼堂々――ウイグル強制労働と世界の太陽光サプライチェーン」とのタイトルで、「太陽光発電というクリーンエネルギーの構成要素は環境に悪影響を及ぼす石炭と強制労働で生産されている可能性がある」「憂慮すべき実態」とする複数の証拠を提示している。

 報告書の作成には中国語をはじめ、ウイグル語、英語に堪能で、かつ強制労働とサプライチェーンに詳しい複数の専門家も協力したという。その上で企業が公開している情報や政府の発表、国営メディアの記事、ソーシャルメディアの投稿や産業リポート、衛星画像といった数百点の資料をもとに、30社以上のサプライチェーンについて、強制労働の有無を調査している。

 とくに注目すべきは、〈太陽エネルギーへの世界的需要を受け、中国企業は環境への責任を可能な限り安く済ませることに注力してきた〉〈それに伴い、サプライチェーンの起点で働く労働者は多大な犠牲を強いられている〉との指摘だ。仮に新疆ウイグル自治区で製造された部材で作られた太陽光パネルを米国が輸入しなくなれば、米国政府の再生可能エネルギー政策に大きな影響を与えることは確実だ。

強制労働という人権侵害

 米国土安全保障省のケン・クチネリ副長官代理はかつて「強制労働が世界中で毎年1千億ドル以上の利益を生み出す」と語っていた。各国の企業が中国による強制労働を黙認する最大の理由は、言うまでもなく生産コストを下げることにある。クチネリ副長官代理は「強制労働は人権侵害であり、私たちの経済に損害を与える」とも述べている。

 先に触れたように「ウイグル人権法」や「ウイグル強制労働防止法」は、日本の企業活動に影響を及ぼす。ウイグル人権法では、人権侵害の制裁対象となる行為として、「ウイグル人等民族的・宗教的少数派の人々、又は新疆ウイグル地区の他の人々の強制労働への関与」が追加された。これにより、実質的な支援(製品、技術、サービスの提供を含む)を行った非米国人・企業も、中国当局者と同様の制裁(米国内資産凍結・SDNリスト掲載、ビザ発給禁止・取消、行政・刑事罰)の対象と見なされることになった。

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