電車内で暴行「財務省キャリア」は辞めていなかった その決断の背景にある力学とは?

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目をかけた矢野前次官の影響力

 矢野氏は菅義偉前首相の官房長官時代の秘書官を務め、そこで評価を高め、一橋大卒として初めて次官の座に就いた人物だ。その人事は、相手が誰であろうと怯まず意見してきたところが気に入られた結果だとも言われている。

 そんな矢野氏は6月の人事で既に退官。首相の座を降りた菅氏も現在は非主流派に甘んじている。

「矢野氏が小野氏にどこまで言い含めていたのか判然としませんが、今回の刑事・懲戒の両処分を受けても辞職しないという点より、小野氏の中で割と確固とした姿勢がありそうな感じがします。特にポストが用意されることはありませんから、となると、定年まで省内に居続けるのかという見方も出てきますね」(同)

 そうでなければ今回残った以上は、辞めるタイミングが見当たらないという。今後の展開には矢野氏の影響力が省内にどれだけ残っているのかも関係してくると見られている。

デイリー新潮編集部

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