ポイント2兆円が無駄金に マイナカード義務化で保険証はどうなる?
見切り発車
河野大臣は「ポスト岸田」を狙う身。いつものスタンドプレーだろうが、しかし、ここで当然疑問に思うのは、では、マイナカードをそれでも取得したくない人はどうなるのか、ということ。お上の方針に逆らう不届き者は、自費で医療費を払え!となればメチャクチャな話だが、
「実際は、その辺りは何も決まっていません」
とデスク氏が続ける。
「大臣も会見で“これからしっかり詰めていく”と述べているように、要は見切り発車なんです。一方で、24日、このことを国会で問われた岸田総理は“マイナ保険証がなくても保険診療を受けられる制度を作る”と答弁している。一体、何なんだ、との批判が出てくるのは当然ですね」
「お薬手帳と変わらない」
迷走するマイナ政策。
「拙速ですし、現状では不備が多過ぎますよ」
と憤るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さんだ。
「マイナ保険証について、政府は夢みたいなことばかり言っています。例えば、マイナ保険証があれば、過去の病歴が即座に医療機関と共有できる、と。でも、マイナ保険証とつながっているのはレセプトです。カルテとなら過去の病歴など詳しくわかるでしょうが、レセプトは過去にどんな治療をしたかくらいの情報しか記されていないので、お薬手帳を見せるのとあまり変わらないですよね」
しかも、
「マイナ保険証を持っていても今、医療機関でそれを読み取れる機械を導入しているところは全体の3割ほど。しかもほとんどが大病院です。ではマイナ保険証を持っている人は大病院に行くべきなのか。今、国は医療機関の機能分化を進め、紹介状なく大病院に行くと初診料に最低7千円が上乗せされますが、こうした政策と矛盾しますよね。これらの整備なしに、頭ごなしに“カードを作れ!”と言われても、無理が出るのは当たり前ですよ」
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