大迫勇也と原口元気はなぜW杯メンバーに選ばれなかったのか
大迫不在の影響
浅野拓磨では攻撃に変化がないだろうし、彼を代表に選んだのは意外性のある得点力もさることながら、前田と同じ役割を期待したのではないか。
前田にしても3試合ぶっ続けでプレス要員が務まるとは体力的に思えない。ベスト8以上を目ざすなら、“汗かき役”は2人必要だからだ。
大迫が代表メンバーに選ばれたなら、エース格だけにベンチスタートを納得するかどうかという問題もある。しかし、これは負傷明けのため納得してもらうしかない。
そしてポストプレーのできる大迫がいなければ、南野もその技術を発揮するスペースがなくなるのではないかという懸念がある。それほど大迫不在の影響は大きいのだが……。
彼の代役を託されたのは上田綺世である。彼はセルクル・ブルージュへ移籍したため、しばらく代表から遠ざかっていた。
そして9月のドイツ遠征、エクアドル戦(0-0)では後半途中から出場すると、ポストプレーなどで先発した前田や途中出場した古橋亨梧との違いを見せて、“ポスト大迫”の一番手となった。
若返りのメリット
しかしである。代表9試合でノーゴールなのは、今回選ばれた攻撃陣では上田だけである。実績不足は仕方ないにしても、持っているポテンシャルの高さは法政大学時代から注目されてきた。しかし、大舞台でのプレッシャーに対するメンタルの弱さは気になるところだ。
まして、初めプレーするW杯で、「大迫の代役」という目に見えない期待感も相当なものだろう。次代を担うストライカーである上田が、余計なプレッシャーを感じないでプレーできるためにも、カタールW杯には大迫が必要だったのではないか。
とはいえ、すでに26人のメンバーは発表された。攻撃陣は東京五輪のメンバーが主力になり、ようやく若返りが図られた。これはこれで、歓迎すべき日本代表である。
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