ゼレンスキーの悲願「クリミア半島の奪還」が現実味 ロシア軍が大苦戦する根本原因とは

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大橋の秘められた目的

「南部のロシア軍がクリミア半島に逃げ込んでも、大橋の鉄道橋が壊れているので充分な補給が受けられない状況は変わらないでしょう。最終的には復旧した大橋の道路橋を使い、ロシア国内に退避するしか手はありません。ゼレンスキー大統領の言う『クリミア半島の奪還』も、にわかに現実味を帯びてきました」(同・軍事ジャーナリスト)

 ゼレンスキー大統領は20日、カナダのテレビ局の取材に応じ、クリミア大橋の爆破について《「私の知る限り、我々は絶対に命令していない」》と関与を否定した(註2)。

 だが、ウクライナはクリミア大橋を「違法建築物」とし、大統領顧問が《「違法な物は全て破壊する必要がある」》とTwitterに投稿している(註3)。

「ウクライナにとってはクリミア共和国の独立とロシアへの併合が“違法”なわけですから、大橋自体も違法建築物になるというロジックです。ただ、クリミア大橋は意図的に低く作られているという事実は重要でしょう。橋が低いため、ウクライナの貨物船のうち約3割が橋を通れないと言われています。つまり、ロシアはウクライナの海運を妨害することも視野に入れて大橋を建設したのです」(同・軍事ジャーナリスト)

悲願は橋の撤去

 クリミア大橋が現存する限り、ウクライナの海路を使った貿易は著しく阻害されるというわけだ。こうなると、どのような状況下であっても、ウクライナがクリミア大橋の“撤去”に執念を燃やすと考えたほうがよさそうだ。

註1:【徹底検証】クリミア大橋爆発 綿密計画で実行か?ウクライナの関与は?専門家が分析(テレ朝news:10月9日)

註2:クリミア橋の爆発「命令していない」 ウクライナ大統領が関与を否定(朝日新聞デジタル:10月21日)

註3:クリミアとロシア結ぶ橋で爆発か、ウクライナ「違法物は破壊」(ロイター[日本語・電子版]:10月8日)

デイリー新潮編集部

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