ラーメンもプチ整形も効果的! 100歳まで健康に生きるために必要なものとは? 専門家が解説
「寝なくていい」という開き直りも大切
次に睡眠についてです。現役世代は日々仕事で疲れ、翌朝も仕事があるので、毎日同じくらいの時刻に就寝し、目を覚ますというサイクルができやすいです。一方、リタイアした高齢者は、毎日同じ時刻に起きる必要がなく、仕事で疲れもしないので、眠れない、朝早く目が覚めてしまう、ということになりがちです。
一番多いのは、「眠れないことが気になる」という神経症的な不眠ですが、実は、これは規則正しい生活を送れば、かなり改善できます。また、起床時間がバラバラだと、セロトニンなどの神経伝達物質が減少することがわかっているので、朝起きる時間を一定にし、同じ時間に朝食をとるようにするのが一番お勧めです。
もうひとつ大切なのは、眠れないなら眠らない、と気楽に構えることです。仮に昼間に眠くなったら昼寝をすればいい。それが許されるのは高齢者の特権なのですから。また、朝早く目覚めてしまったら、家の近所を散歩して太陽の光を浴びれば、セロトニンや睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌され、眠りやすい体になります。
セロトニンなどの材料になるトリプトファンなどのアミノ酸を多く含む牛乳を飲んでも、効果があるかもしれません。しかし、それでも眠れなければ、「寝なくてもいいや」と開き直ったほうがいいのです。
見た目に気を使い、恋愛もした方がいい
ところで、心理療法の手法のひとつに、行動を変えれば心も変わるという考え方に基づく行動療法があります。若さを維持するために、この考え方も有効に活用したいものです。見た目が若々しくなれば、それだけで気分も前向きに変わります。自分が若返った姿を目にすれば、「もっと若返りたい」「もっときれいになりたい」という活力が湧いてくるものです。
日本人は外見を整えることに対し、これは良いがこれは悪いと線引きし、勝手に反則を作りがちです。髪を染めるのはいいがカツラは恥ずかしい、しわを取るボトックス注射は反則、という具合です。でも、しわだらけの顔にお化粧をして、見栄えがよくないまま我慢するくらいなら、ヒアルロン酸を打って肌に張りをもたせ、ボトックスでしわを取ってからお化粧して、きれいになるのもいい。反則やタブーを意識し、きれいでいたいという気持ちを抑えつけるより、そんな線引きはなくして思い切ったほうが若々しくいられ、活力も湧き出てきます。
男性も同じです。「かっこよくいたい」という気持ちから意欲が生まれ、男性ホルモンの分泌にもつながります。男性ホルモンが減少すると筋力が低下し、意欲が低下して、他人との付き合いがおっくうになります。記憶力も低下します。そうなるとフレイルや認知症に一直線です。男性も見た目に気を使い、許されるなら恋愛もしたほうがいい。タブーを設けないことが、意欲の維持への近道です。
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