ラーメンもプチ整形も効果的! 100歳まで健康に生きるために必要なものとは? 専門家が解説
ラーメンは「雑食」にもってこい
肉に代わるものとして、良質の植物性タンパク質が豊富で、神経伝達物質の原料になるレシチンを多く含む納豆も勧められます。といって、納豆を大量に食べるのも難しいでしょう。
そこでお勧めしたいのが雑食、つまり、いろいろなものを食べることです。高齢になるとどうしても食が細くなり、食べる絶対量が減るので、体に必要な栄養素が量も種類も足りなくなりがちです。まずは数多くの栄養素が入った料理をたくさん食べるよう心がけることです。
1日に食べる品目数は、30が目安だとされています。しかし、家庭で食事する場合、使う食材などがどうしてもかぎられるので、時々外食をして、楽しみながら多様な栄養素を摂取するのもいいでしょう。
たとえばラーメン。麺で糖質が取れ、最近はスープも化学調味料は少量で、10種類以上の食材が使われています。トッピングをメンマに卵、焼き豚などいろいろ選べば、雑食としてはもってこいです。「コレステロール値が上がる」と心配される方も多いでしょう。
しかし、コレステロールは男性ホルモンの材料になります。また、幸せホルモンとして精神の安定を司るセロトニンを脳内に運ぶ機能も担っているので、コレステロール値が高い人ほどうつ病になりにくいことがわかっています。さらにコレステロールは、免疫細胞の材料になるからか、コレステロール値が高い人ほどがんになりにくい、というデータもあるのです。
このようにコレステロールは、特に高齢者には不可欠なもの。過剰摂取はまずいでしょうが、コレステロール値が高いことをいたずらに罪悪視せず、自分が食べたいものをしっかり食べることのほうが大切です。
かむことが大切な理由
食べることに関しては、しっかりかんで「咬筋」を鍛えることも、高齢者の健康にとって非常に大切です。かむ力が衰えると、どうしても誤嚥が起きやすく、誤嚥性肺炎を誘発することにもなります。また、誤嚥を恐れるあまり食が細くなって栄養不足を招き、筋力が衰えたり、体調を崩しやすくなったりもします。
かむことが大事な理由はほかにもあります。咬筋は三叉神経を介して脳とつながっているので、よくかんで食べることで、認知機能を司る大脳や扁桃体が刺激され、認知症の予防になるといわれています。ですから、ガムやスルメをかむことも、認知機能の維持につながるわけです。
一方、かむ力が衰えると、生野菜をはじめ硬めの食物よりも、麺類などやわらかいものを食べる機会が増え、その結果、ビタミン不足になって認知症の発症リスクが高まります。事実、歯がほとんどない人は、20本以上ある人とくらべて認知症の発症リスクが1.85倍だというデータもあり、アルツハイマー型認知症の患者は、野菜の摂取量が少ないこともわかっています。
歯があまりよくない人も、健康で長生きをしたければ、義歯やインプラントを取り入れるなど、歯には可能な範囲でお金をかけたほうがいいと思います。
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