ラーメンもプチ整形も効果的! 100歳まで健康に生きるために必要なものとは? 専門家が解説

ドクター新潮 ライフ

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発症を遅らせるに越したことはない

 最近、認知症を治療する新薬として、脳内のアミロイドβを除去する「アデュカヌマブ」が話題になりましたが、米国FDA(食品医薬品局)が承認したのちの効果を見ると、芳しくありません。現状、認知症にはほかに治療法もなく、いずれ誰もが罹患する病気です。そうである以上、発症するのを遅らせるに越したことはありません。

 誤解がないように断っておきますが、私は認知症になったらなったで、うまく付き合っていけばよいと考えています。とはいえ、頭を使ったり食事に気を使ったりすることで、認知症の発症を遅らせることができる以上、そうしない手はありません。また、そうした努力は脳ばかりか、体全体の健康を守ることにつながり、その結果として「80歳の壁」を楽に越えて、健康寿命をどんどん延ばすことになるのです。

メンタルにとっても体にとっても肉は重要

 それでは、食事と睡眠の話から始めましょう。私がこれまで三十余年、6千人を超える患者さんと接するなかで、最も質問が集中したのが食事と睡眠に関してだからです。

 私は著書『80歳の壁』をはじめ各所で、高齢者こそ肉を食べるべきだと訴えてきました。牛肉や豚肉はトリプトファンという必須アミノ酸が豊富で、脳内の神経伝達物質のひとつで「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料になり、その分泌が促されると、脳の活性化につながるからです。そのうえ、タンパク質は筋肉の材料になるので、筋力低下を防ぐことにもなります。メンタルにとっても体にとっても、肉は重要な栄養源なのです。

 アメリカでは1人が1日300グラム近い肉を食べるのに対し、日本では平均して100グラム程度。高齢者はさらに少ないといわれます。

 とはいえ、全体的に栄養素が欠乏しがちな高齢者が、肉を食べることにこだわりすぎて、それ以外の栄養素が欠乏してしまっては、本末転倒です。それに、本当は肉を食べたくない人が無理して肉を食べればストレスになり、後述するように、ストレスも高齢者にとって大敵です。

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