ラーメンもプチ整形も効果的! 100歳まで健康に生きるために必要なものとは? 専門家が解説
人生100年時代でも、大事なのは何歳まで健康で過ごせるかだろう。「80歳の壁」を越え、その後も健康で過ごせるかどうかは、60~70代の過ごし方次第だと、老年医学の権威、和田秀樹氏は訴える。無事に壁を越えた人も、以後の過ごし方次第。では、どう過ごすか。
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現在、日本人の平均寿命は男性が81.47歳で、女性が87.57歳(令和3年簡易生命表)。今後、さらに延びて100歳に近づいていくことでしょう。実際、すでに「人生100年」と謳われ、100歳以上の人は、今年9月1日時点で日本に9万526人もいます。
では、平均寿命が延びれば、みな生き生きと長寿をまっとうできるかといえば、そうとはかぎりません。事実、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義される健康寿命は、2016年時点で男性72.14歳、女性74.79歳。平均寿命との差が男性で9年弱、女性は12年以上もあります。要するに、寿命こそ延びても、介護されたり、ベッドで過ごしたりする期間も長くなっているということです。
認知症の有病率は80代で約30%
では、健康な状態で「80歳の壁」を越えられる人と越えられない人の違いはどこにあるのか。それは60代から70代の過ごし方にあると言っても過言ではありません。また、無事に「80歳の壁」を越えることができた方も、これからの過ごし方次第で、100歳までの道のりは違ってきます。
その際の大事なポイントとして、脳が老化する速度を遅らせる、ということが挙げられます。
認知症の有病率は、60代は約2.5%なのに、80代になると約30%に上昇します。85歳以上の高齢者に認知症テストを行うと、認知症と診断される人は40%におよび、軽度のものを加えると、もっと増えると考えられます。
しかし、認知症の進行は個人差が非常に大きく、私が30年あまり、老年精神科医として働いてきた経験から確実に言えるのは、60代から70代にかけての生き方が、発症に大きく関係しているということです。
たとえば、テレビや雑誌で「あの大学教授が認知症に」「あの大作家が認知症に」などと報じられることがあります。すると「あんなに頭を使っていた人でも認知症になるのか」と思う人が多いのではないでしょうか。しかし、頭を使っていたからこそ、認知症になるのをここまで遅らせることができたのだ、と捉えたほうがいいと思います。
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