皇居を1時間以上も勝手に徘徊して捕まった中国人の正体 元公安警察官も啞然

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中国人外交官の協力者

 もっとも、中国人の名前がわかると、公安関係者は色めき立った。

「その中国人は、中国大使館で諜報活動をしている中国人外交官の協力者ではないかと言われていて、公安がマークしていた人物だったんです。厳重に警備されている皇居をどこまで侵入できるか調べるために、皇居内をうろついたものと思われます。おそらく監視カメラはどのくらいあるのか、人間の体温を探知する(哺乳動物も探知)赤外線センサーは配置しているのか、当然チェックしたはずです」

 中国人は、皇居の一般参賀の際、立ち入り禁止区域に侵入することがよくあるという。

「団体で一般参賀に来る場合、宮内庁職員が案内をすることになっています。中国人は団体から抜け出して、立ち入り禁止区域に立ち入ることがよくある。護衛官に見つかると、『トイレに行きたくなった』といって言い訳するそうです」

 もちろん、1時間以上も不法侵入者の身柄を確保できなかったことは、警察内部で大問題になった。

「当時、警察庁警備局長だった大石吉彦警視総監は、ことの経緯を聞かされて激怒したそうです。自ら皇居に視察に行ったほどです」

 この事件で、皇宮警察の警備の杜撰さが浮き彫りになった。

「中国は、日本の警備体制は恐れるに足りないと思ったのではないでしょうか。皇宮警察はガードマンと同じで、はっきり言って暇な仕事です。事件を捜査することもないし、犯人を逮捕後、事情聴取することもないからです。暇を持て余しているから不祥事も多いとも言えます」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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