ジャニーズを広告に起用する「韓国コスメ」強さの秘密 日本製との明らかな違い
韓国コスメの強さの秘密は意外にも…
かつてポーラ・オルビスやTBCで化粧品の開発に携わったマーケティングアナリストの渡辺広明氏は「容器」に韓国コスメの秘密があると説く。
「化粧品の製造原価は、主に成分代と広告をふくむデザイン代と、容器代です。成分が良いと売れるのは当たり前ですが、世界的なブランドが有名人を起用していることからも広告のSNSでの拡散施策も重要になり、売価の設定に大きく影響します。ではそのふたつにお金をかけるにはどうすればいいか。容器の原価を抑えるしかありません」
韓国コスメに比べると日本製の化粧品は容器代が高く、製造原価のうち25~50%を占めると渡辺氏はいう。
「これに対し韓国は、国策としてコスメに力をいれていることもあり、安く容器を製造できます。かつて工業団地で韓国のテソン産業が北朝鮮と共同事業的な試みを行っていたこともあり、容器に使う金型などを安価に作れる素地があります。美容成分とされるものの効果の有無はここでは論じませんが、容器のコストが安ければ、たくさん入れられることは確か。広告に割ける金額も増えるわけです。反対に、なぜ日本の容器代は韓国に比べて高いのか。これは良いところでもあるのですが、中身が漏れない、成分が劣化しないよう、厳格だからです」
代表的な例が、国内容器メーカーの雄・吉野工業所で、その高いレベルは“吉野基準”として業界で知られているという。
「さらにマクロの視点でいえば、韓国という国の志向もあるかもしれません。韓国コスメの質が悪いというわけではなく、容器をとっても、万全を期す日本人の志向と、“とりあえずこれでやってみて、ダメならまた考える”韓国人の志向の差が現れているといえる。また韓国が得意とするエンタメの分野にもいえるのですが、日本は人口が約1.3億人ととりあえずマーケットとして成立しやすい規模であるのに対し、韓国は約5,000万人と半分以下。自国ではビジネスが成り立たないわけですから、大陸と地続きな事もあって最初から海外マーケットを向いており、意識の差は明白です」