「北島三郎」の愛馬「キタサンブラック」の「か弱い息子」がG1初制覇 見えてきた“ディープ超え”の可能性

スポーツ

  • ブックマーク

 10月30日(日)に行われたG1・天皇賞(秋)(東京競馬場芝2000メートル)。伝統の一戦を制したのは、今年のダービー2着馬・イクイノックス(3歳牡馬)だった。この馬の父は、あの演歌歌手・北島三郎が持っていた名馬「キタサンブラック」。今回の勝利が、キタサンブラック産駒として初めてのG1制覇となり、種牡馬としての期待がより高まった。

キャリア5戦目で

 競馬記者がレースを振り返る。

「逃げ馬・パンサラッサが今回も予想通り豪快に大逃げをかまし、最後の直線に入っても2番手以下を大きく突き放していました。“このままパンサラッサが押し切るか”、と誰もが思ったその時でした。中団外目を追走していたイクイノックスのエンジンがついにかかり、先頭との差をグングン縮め始め、ゴール前で粘るパンサラッサを完全に捉えたのです」

 イクイノックスは実は今回がデビューから5戦目。キャリアこそ浅いものの、

「今年の皐月賞、日本ダービーを2着と、これまでも強さは見せてきました。が、相手や展開に恵まれず、なかなか勝ちきれなかった。しかも、一度使う(レースに出走する)と、疲れが取れるまで相当時間がかかるという、類まれな虚弱体質の持ち主。“本当に強いのか”と不安の声も上がっていましたが、今回の勝利で、その実力がきちんと証明され、陣営はほっとしているでしょうね」

とても強い勝ち方

 今回の勝利は、イクイノックスの父・キタサンブラックにとっても産駒初のG1制覇 と、価値あるものだった。ところでキタサンブラックといえば、馬主が演歌歌手の北島三郎氏(86)というのは有名な話だが、

「イクイノックスの今回の勝利にも、“とても強い勝ち方で感動した”というコメントを発表していました。キタサンブラックも天皇賞・秋を制していますから、親子での制覇となったわけで、サブちゃんにとっても心底嬉しい結果になったのではないでしょうか」

次ページ:ハマの番長も

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。