山口でくすぶり続ける「昭恵さん待望論」 林家に“シマ”を渡したくない安倍家支援者の悪あがき
ワンポイントリリーフ役は…
ここで、冒頭で紹介した毎日新聞の記事に立ち戻りたい。タイトルにある「野心のある人より…」というのは、いったい誰を指しているのか。
「安倍家から後継を出せなかったとしても、来年4月に行われる予定の現4区の補選には誰かしら自民党として候補を立てねばなりません。ただし、次の総選挙になると現4区は消滅してしまうわけですから、ワンポイントリリーフとしてです。そのリリーフ役が“やっぱり政治家を続けたい”と言い出したら面倒なことになる。それを避けるためにも昭恵さんに出てもらいたいと安倍家シンパは騒いでいるのです」(同)
だが、念願の下関奪還を実現させたい林氏サイドからすると、「それこそが余計な混乱をうむ」との考えだ。
「昭恵さんをワンポイントリリーフとして出そうなんて安倍家シンパは考えていない。引き続き安倍家のお膝元でという腹に決まっています。不謹慎な物言いになってしまいますが、晋三さんが亡くなったことで選挙区が減る問題は解決した状態にあるとも言えるのです。比例代表の中国ブロックの定数も11から10に1減してしまうから、簡単に誰かを比例に回すこともできない」(同)
安倍家が岸家をリリーフ役に借りる“スペシャルプラン”
だが、何としても安倍家を存続させたいと考えるシンパたちは、ウルトラCまで検討していた。新2区を父・岸信夫氏から受け継ぐ予定の長男・岸信千世氏を現4区補選にワンポイントリリーフとして立てる案だ。
現2区は信夫氏の地盤であるが、信夫氏の病状はかんばしくなく、次の選挙で信千世氏に世襲させたいと考えている。その信千世氏を、まずは現4区の補選でリリーフ役として立てる。そして、総選挙になった時は新2区に移って出馬するという”スペシャルプラン”だ。
「この間に時間稼ぎをして、新3区の後継については安倍家の血筋を持った人たちを頑張って説得するという計画です」(安倍後援会関係者)
ただ、この案はすぐに立ち消えてしまったという。理由は岸田内閣の支持率低迷だ。
「2025年夏の参院選まで大型の国政選挙がない『黄金の3年間』とも言われていましたが、ここにきて内閣支持率が20パーセント台に落ち込み、悠長なことを言っていられなくなってきた。補選が行われるのは来年4月の予定。来年5月に広島で行われるG7直後、岸田さんが解散に打って出る可能性も取り沙汰されています。『1カ月だけ現4区で議員をやってから新2区に移ります』なんて、いくらなんでも世間は納得しないだろうと」(同)
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