不倫、再婚、離婚の末に最初の妻と再々婚した44歳男性の苦悩 突然知った空白の4年間の秘密

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後輩の恋人と…

「娘たちは元気だし、すみれも仕事を再開して楽しそうだし。僕は仕事が多忙を極めていた時期なのに、なんだか気が緩んだのか、けっこう飲みにも行ってました。すみれからは『もうちょっと早く帰れないの?』と何度か言われていたけど、当時は遊ぶのも仕事だと思っていた。既婚なのに合コンにまで参加して、ホテルへ行ってしまったこともありました。相手は選んでいたつもりだったんですが……」

 そんなとき、社内の後輩有志が開催した立食パーティで出会ったのが10歳年下の雪絵さんだ。それは「合コン」ではなく、社内外の人が出会って新しいつながりを作ろうという会だったが、30代後半にさしかかった彼にとって、雪絵さんは鮮烈でまぶしい存在だった。一瞬にして「恋に落ちた」と感じた。

「ところが彼女は、その有志の中心である後輩の恋人だったんです。僕は知らなかったので、彼女に積極的に話しかけました。彼女も明るく対応してくれた。『ここから抜け出しませんか?』と言ったら彼女もニコッと笑って。一緒にこっそり出てバーに行きました。楽しかった。なぜこんなに気が合うんだろうと思うくらい楽しかった」

 彼女は恋人と別れようと思っていると話してくれた。その話の中で、彼は後輩の恋人だと知った。雄浩さんから見て、仕事では頼りになる後輩だったが、確かに言葉がきつかったり人への思いやりに少し欠けるところがある。客観的な意見としてそう言うと、雪絵さんは「やっぱり」と頷いた。それを機に、雪絵さんからは何度も連絡があり、そのたびに相談に乗った。そして相談に乗っているうちに、雪絵さんから「彼のことはもうどうでもいい。私、あなたを好きになってしまった」と告白された。

 雄浩さんも彼女に夢中になった。半年もたたないうちに自制心が薄れて、彼女の部屋に入り浸るようになった。週の半分くらい彼女の部屋に泊まるようになったとき、妻から「離婚しましょう」と言われた。

「僕は愚かでした。そのとき初めて『ヤバい』と思ったんです。外泊がそれほどいけないことだと思ってなかった。というか、雪絵に夢中で家族のことが視界から外れていた……。妻は泣きながら『こっちは3人なの。3人で越すのは大変だから、あなたが出て行って』と怒りを押し殺したような声で言った。怖かったですねえ、あれは」

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