前田日明が明かす「コンビニ前の暴走族を撃退」伝説の真相 元祖・格闘王“こだわり”の買い物術とは

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プロレスラーは増量がキツイ!

渡辺:今と違って、現役時代の頃はコンビニをもっと利用してたんじゃないですか?

前田:そうですね。何も気にせず、いろいろ食べてました。

渡辺:当時は何を購入していましたか?

前田:弁当も買ってたけど、増量のための食品が多かったかな? プロテイン用の牛乳、豆腐、チーズなどをよく買ってました。

渡辺:プロレスラーの体作りは、ほかの格闘技とはまた異なりそうです。

前田:ウエイト制限がないから減量もない。どちらかというと体が大きい方が見映えがいいので、若手時代はとにかく増量です。自分が新日本プロレスに入った当初は73kgで、練習が厳しくて1週間で68kgにダウンしてしまった。でも、翌年のデビューまでには92kgに増やしましたよ。

渡辺:すごい!

前田:ただ、僕は身長が192cmだから、92kgでもまだ細い。100kg前後で「野球選手ですか?」と言われるようになり、ベスト体重の115kgになって、ようやく「プロレスラーですか?」と言われるようになりました。よく「減量が大変」という話を聞くじゃないですか。でも、増量もつらいんですよ。「もう食べられない」という状態でも詰め込まなくてはいけませんから。入門して最初の3年間は胃拡張の日々です。

渡辺:想像できないです……。高タンパク食品にしても、いまでこそコンビニで扱っていますが、当時は少なかったですよね。

前田:そもそもプロテインを買うのもひと苦労です。雑誌の広告に載っている海外通販で入手していました。しかも、当時は不味いし溶けないし、大変だった。今は良い時代になったと思います。

渡辺:コンビニ業界も含め、いろいろと進化していますよね。進化と言えば、コンビニコーヒーは飲んだことありますか? 近年はコンビニのコーヒーも進化して人気なんです。

前田:美味しいと評判だったから、気になって1回飲みましたよ。たしかに美味しかったです。だから、それ以来、コストコで豆を買って自分で挽くようになりました。

渡辺:やっぱりコストコなんですね(笑)。多くの人がコンビニに通う感覚で、前田さんはコストコに通う。前田さんにとってのコンビニはコストコなんですね。

前田:そうなりますね。

渡辺:あまりコンビニを利用しない前田さんから見て、コンビニに対する要望はありますか?

前田:コンビニ業界に提言したいのは、いかに食品添加物を減らすかですよ。これだけ周囲にコンビニが溢れてるんだから、そこで安全な食品を扱っていたら、今よりももっと多くの人が利用するようになるはずです。

渡辺:ありがとうございます。食の安全はコンビニに限らず、食に関わるすべての業界にとって大切なことです。コンビニ業界も、前田さんが通ってくれるような食品が増えることを祈りたいと思います。

前田:あ、でもセブン-イレブンの「シュークリーム」は無添加で美味しい商品があるから、たまに隠れて食べてますよ。

渡辺:「隠れて食べる」って何ですか?

前田:「デブなんだから痩せろ」って周囲がうるさいんですよ。だから隠れて食べる。

渡辺:絶対バレてますよ。前田さん大きいんですから(笑)。

前田日明(まえだ・あきら)
元プロレスラー。総合格闘技プロモーター。リングスCEO。1959年大阪府生まれ。1977年、新日本プロレスに入門し、翌年デビュー。その後、UWFを経てリングスを設立。数々の名勝負を繰り広げたのち、1999年に惜しまれつつ引退。その後は総合格闘技のプロモーターとして手腕を発揮し、2008年からは不良の更生・育成を目的とした「THE OUTSIDER」をプロデュースしている。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。

デイリー新潮編集部

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