「アフターコロナ」海外旅行に熱視線 入国規制撤廃で「タイの首都・バンコク」注目スポットに行ってみた
マスクをしている人は3割
数日前まで雨ばかりだったというが今日は良い天気、夕涼みにバンコクのシンボルとも言うべきチャオプラヤー川のほとりを散歩しに出かけた。町を歩いていると、マスクをしている人は3割くらいだろうか、「マスクをしなくては出かけられない」というムードはなく、日本よりも随分おおらかだ。地下鉄などの公共交通機関に乗るときは必要ではあるが、特にマスクをしてくださいと促される場面は一度もなかった。川辺に着くと釣りをする人、見つめ合うカップル、散策を楽しむ外国人観光客たち、あらゆる人間模様が溢れていて華やかだ。川辺のエリアは路地に小さな店がたくさん並び、趣味のいいカフェなどが以前はたくさんあったのだが、目下の状況は元あったうちの3割くらいだろうか、コロナ禍を乗り切った店が元気に営業中という状況だ。遊びに来る人の数は今は以前通りに多いので、営業している店はどこも大忙し。母なる大河チャオプラヤーは、そんな人間世界の喧騒をおおらかに受け止め、ゆらりゆらりと豊かな流れを絶やすことなく、ピンク色の夕日に煌めいていた。
花のシャワーを浴びる
活気のあるバンコクを存分に味わうべく市場散策に出かけてみる。タイの名産品のひとつ、蘭の花も扱う色彩豊かな巨大花市場「パーク・クローン花市場」を訪ねた。タイでは寺院で捧げ物としてマリーゴールドや蘭、薔薇の花が豊富に使われることもあり、人々にとって花は大変身近なものだ。日本では高級品である花が、ここではもっと気軽に手に入る。特に買い物をしなくても市場で働く人々の熱気と大量の花の迫力に目が喜ぶことは間違いない。花の用途が日本とは違うので、売り方もまた全く違い、それが面白い。マリーゴールドなどは茎をそっくり切り取ってしまい、花だけでオレンジ色の鞠の塊のような状態なので、極めて豪快で色のインパクトが強い。蘭の花も色で分けられ10本以上で束になって並べられた店が何百軒も続くので、歩くだけで文字通り花のシャワーを浴びるようだ。花の息吹に負けそうになったら、洒落た花屋が営む隠れ家カフェで一息つくこともできる。喧騒の中にぽっかりとオアシスが見つかるのもバンコクの良いところではないか。この花市場の一角には野菜やスパイスを扱う小さめの市場もあるので、バンコクの日常生活を垣間見るにはうってつけの場所だ。
日本から訪れると少し驚くのだが、最近タイで解禁になった大麻の苗木がここでも売られているのを見かけた。苗木に関してはごく普通の商店の入り口で販売されていたりもするので、現在のタイでは苗木の販売に対しておとがめがないことは確認できるのだが、旅行者としてはトラブル回避のため大麻の規制に関しての情報をしっかりと把握しておきたいものだ。
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