「誤審で一睡もできず」「ネットに“仰木監督を殺した”と書かれ…」 現役プロ野球審判らが語る舞台裏、現役選手で気に入られているのは?
メジャーに比べて待遇が悪い
1軍の試合にレギュラーで出場する審判となって、年収は1千万円を超えるようになるという。
日々のトレーニングも欠かせない。
「ジョギングやジム通いを日課にしていました。また、毎年、春キャンプから開幕までの1カ月半の間に、1万球を見ることを心掛けた。キャンプに赴き、ブルペンに入ったり、紅白戦やオープン戦で実際の球筋を見ました。すると、眼の中に横幅432ミリのホームベースが焼き付いてくるんです」
猛特訓であるが、山崎氏によれば、日本の審判員はメジャーに比べて待遇が悪いという。
「“権威”が違います。アメリカでは、少しでも判定に不満の意を示されたら、すぐ退場にする。逆にそうしないと“チキン・アンパイアー”“バージン・アンパイアー”とバカにされます」
アメリカでは「正しさ」より「尊敬されること」
実際、メジャーの監督の最多退場回数は161回だが、日本のそれはマーティ・ブラウン監督の12回。ロッテの監督を務めていたボビー・バレンタインは、日本時代は退場が7年間で1回。しかし、メジャーでは1年間で18回も退場宣告された年があったという。
「日本では審判員に求められるのは間違えないこと。一方のアメリカでは、尊敬される人間になること。人間は間違えるということを前提に、その判定が支持されるためには、尊敬される人間にならなければいけないと教育されるのです」
近年では、NPBの審判もアメリカでメジャー流の研修を受けることが義務付けられている。日本の審判にも権威を重視する流れができつつあり、それが冒頭の佐々木-白井球審騒動の遠因となったのかもしれないのだ。
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