見えてきたプーチンの大敗北…冬将軍はロシア軍に味方せず、ウクライナ軍は教科書通りの戦術で

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 ロシアがウクライナに侵攻を開始したのは今年2月24日。早くも8カ月が経過したわけだが、CNNは10月14日、「Russia is bruised as winter approaches. Can Ukraine land another blow?」の記事を配信した。

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 タイトルを日本語に訳せば、「冬が近づくにつれ痛手を負うロシア ウクライナは更なる戦果をあげられるか?」という感じだろうか。

 ウクライナは間もなく冬を迎える。そのため、これからの数週間、ウクライナ軍とロシア軍の間で激戦が繰り広げられる可能性が高いと、CNNは指摘している。

《厳冬期が迫ってくると、地上戦は膠着せざるを得ない。そのため専門家は、今後数週間の戦闘が重要だと指摘する。ウクライナもロシアも相手に一撃を与えようと模索しているが、ウクライナが別種の痛撃を被る可能性も浮上している》(註)

 文中にある《別種の痛撃》とは何か、劣勢のロシア軍は、ウクライナのエネルギー関連インフラに、ミサイルなどを使って猛攻を加えている。

 それによって冬季に必要とするエネルギーをウクライナと西側諸国が確保できない場合、ロシアとの力関係は変化するのか、停戦は現実味を帯びるのか──こうした問題について、CNNの記事では専門家が見解を披露している。担当記者が言う。

「それだけウクライナの冬は厳しいのです。隣国のロシアは、『冬将軍』で何度も侵略国を撃退した歴史を持ちます。あまりの寒さに敵軍は進軍が不可能となり、充分な補給を確保できず自滅してしまうのです。厳冬期の到来が有利に働くのはウクライナなのかロシアなのか、多くの関係者が注視しています」

ウクライナの冬将軍

 冬将軍が猛威を振るった戦争として有名なのは、フランス帝国のナポレオン1世(1769~1821)による「1812年ロシア戦役」と、ナチスドイツによる「独ソ戦(1941~1945年)」だろう。

「フランス軍もドイツ軍も夏季こそ快進撃を続けましたが、冬になると泥濘(でいねい)と降雪、そして寒さで全く進軍できなくなりました。独ソ戦でドイツ軍は、モスクワのクレムリン宮殿まであと一歩という距離まで迫りました。しかし、寒さで兵器は凍りつき、補給もままならず、軍の士気は大幅に低下、最終的にはソ連軍の反攻を許してしまったのです」(同・記者)

 そして冬将軍の猛威は、ロシアだけのものではない。気温のデータを見ると、ロシアとウクライナの冬は極めて似ていることが分かる。

「ドイツ軍とソ連軍が死闘を繰り広げたレニングラード、現在のサンクトペテルブルクは、厳冬期、平均の最低気温と最高気温の幅が、マイナス9度からマイナス2度の間で推移しています。ウクライナの首都キーウもマイナス6度から0度の間で、ロシアもウクライナも『冬将軍』の本場であることが分かります」(同・記者)

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