円楽さんの急逝で一門が存亡の危機? 兄弟子・好楽は「アイツに怒られないようにしないと」

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「円楽さんの出番がない時は…」

 残された幹部クラスも鳳楽が75歳、好楽と円橘も76歳と、いずれも高齢で先々が心もとない。円楽一門会の両国寄席に10年ほど通うというファンの一人も、

「円楽さんの出番がある時は、寄席も超満員になりますし、私だって何回も笑わせてもらいました。ですが、出番がない時は50席ほどのスペースに3人しか客がいない、なんてことも……」

 と言って案じるし、かてて加えて一門には大名跡、円生の襲名問題も難題として残されている。かいつまんで言えば、五代目円楽が生前、鳳楽に円生の名跡を継がせようとしたものの、円生の遺族や直弟子の反対に遭い、襲名話は頓挫したままなのである。

「六代目円楽は円生の名跡を残さねばならないという使命感を持っていた。自身がその襲名に前向きであると自著にも記したほどです。円楽亡き後、現時点では誰も後継者に名乗りを上げていません」(前出・記者)

 他団体との合流、寄席の集客、大名跡の襲名といずれも難問を残したまま、円楽さんはこの世を去ってしまったわけなのだ。

ジタバタしちゃいけない

 そこで「笑点」ではピンクの衣装でおなじみ、好楽師匠に聞くと、次のように一門の未来を語った。

「大きな看板がなくなると不安になるものだけど、楽ちゃんが亡くなっても、ジタバタしちゃいけないってみんなを諭(さと)しました。六代目円楽の穴は埋めなきゃいけませんが、若い人たちの中にもすごい子はいます。これからは、その子たちを売り出していきたい。そのために自分自身にも鞭を打たなきゃって思います」

 また襲名問題については、

「円生は大名跡。それを残すのは我々の務めだって楽ちゃんが思ったのは、すごくいい考え。それは今、残された私の役目です。円楽や円生の後継者は我々五代目円楽一門会にしか作れません。うちの名跡だから、責任重大ですよ。六代目円楽の抱えていた宿題を、私が抱えて生きていかなきゃなんない。みっともないことやったら、“兄さん、いい加減にしろよ”って、アイツが上から怒ってくる。名跡については(六代目円生の)お孫さんともお話をしています」

週刊新潮 2022年10月27日号掲載

ワイド特集「雲の彼方に」より

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