「餃子の王将」社長射殺事件、9年越しの捜査で工藤会系幹部を逮捕させた“吸い殻と人事”
「頂上作戦」に携わった検事の存在
だが、読売新聞(10月28日朝刊)によれば、
<府警は、吸い殻を他の人物が別の場所から持ち込んだ可能性を排除するため、たばこの燃焼状況について、専門家に鑑定を依頼。その結果、「湿った路面で消されたもので、その場所は(現場の)通路と推定できる」とする結果が得られた>
事件当時、現場周辺の路面は雨で濡れており、<府警は、直前に田中容疑者が現場で吸っていた証拠になるとみている>という。
さらに、今回の逮捕には、検察側もひと役買ったようだ。先の捜査関係者によれば、
「工藤会は意に添わなければ一般人であっても襲撃するほど暴力性が際立った組織。警察と検察は総力を結集し、総裁の野村悟被告をはじめ工藤会幹部を次々に逮捕した。この“頂上作戦”に携わった検事が京都地検に移ってから“王将事件”の潮目が変わった。それでも、上級庁はなかなか重い腰を上げなかったが、その後、この検事が大阪高検に異動したことで立件に向けて大きく前進した感がある」
事件から9年越しの逮捕劇――。だが、田中容疑者が“実行犯”だったとして、なぜ大東さんを狙ったのか、また、犯行を依頼した黒幕がいるのかなど、謎はいまだに数多く残されている。真相の解明が待たれる。