「中野太郎」銃撃事件の再現か 池田組長「ヘアカット中に襲撃」事件の中身

国内 社会

  • ブックマーク

最初からやっていればの声

「逮捕されたのは妹尾組の福岡一彦本部長です。妹尾組の最高幹部2人が1日で身柄を拘束されたということになります」

 と、先の記者。他方、竹垣氏はこう語る。

「トップを襲撃し、失敗した後に道具(拳銃)を持って行くくらいなら、最初から道具を持ってやれば良かったのではないかと感じますね。ナイフを持って1人で殺害できるとタカをくくっていたにしても、名門とされる妹尾組にしてはチグハグな印象を受けました。妹尾組は初代が山健組で若頭をし、現在の物部浩久組長も若頭を務めている組織です」

 現在、5代目山健組の中田浩司組長は自らヒットマンとして行った銃撃事件で勾留中の身だ。中田組長が最前線にいないことが今回の不手際に影響したのではないかと指摘する声もないわけではない。

 そもそも池田組と妹尾組の上部組織・山健組は神戸山口組の旗揚げ(2015年)に参集し、ことに関係の深い間柄だった。山健組が神戸山口組を抜けて一時期、独立組織として活動を展開していた頃に、両組織の距離は縮まったともされる。

油断があった池田組長

 結果として山健組は6代目山口組側に移籍し、池田組とは対立する側に回ったことになる。両組織が抗争の当事者となるというのは「仁義なき戦い」そのものとも言える。あるいは、「浮世の習い」と言ってしまえばそれまでのことかもしれないが。

「池田組はこれまでにも6代目山口組側から前の若頭が射殺されており、今の若頭も銃撃を受けて重傷を負っています。それなのに、神戸山口組との連合を組んだ直後のこのタイミングで、組長が散髪に出るというのは、ボディガードを引き連れているとはいえ少し油断があったのかもしれません。妹尾組の失策のお陰で救われたわけですが」(同)

 竹垣氏は散髪屋での襲撃と聞き、元ボスの中野会の中野太郎銃撃事件を思い出したという。1996年のことだ。

「中野会長が地元・京都府八幡市の理髪店を貸し切りにしてカットしていたところ、4代目会津小鉄会系のヒットマンが銃撃。中野会長のボディガードが応戦し、襲撃した組員2人が射殺された一方、中野会長は無事でした」(同)

次ページ:報復はナシのワケ

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。