30年前を思い出す? 旧統一協会の勅使河原氏に被害者の橋田達夫さんが言いたいこと
10月20日、統一協会(現・世界平和統一家庭連合)が6回目となる記者会見を開いた。今回は宗教法人法に基づき教団に調査が入る方針となったことを受けてのものだ。ところが、教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長は、「入信した元妻の高額献金による家庭崩壊で長男が自殺した」と訴えている高知県の橋田達夫氏への反論として、会見会場で元妻の言い分をまとめたVTRを流した。これを見た橋田氏はどう思ったか。勅使河原本部長には言いたいことがあるという。
***
【写真】30年前の勅使河原さん。幸せの絶頂だった合同結婚式。新居もマスコミに披露していた。いかにも賢そうな幼少期の貴重な写真も
橋田氏:勅使河原氏は私に「メディアに出るな」と言っておいて、自分はテレビ局を呼んで会見する。しかも「『メディアに出るな』とは言っていない」と嘘までつく。さらに元妻まで映し出してきた。こんな人と話し合いなどできるはずがないでしょう。
会見の4日前となる16日、勅使河原氏は突然、高知県の橋田氏の自宅を訪れた。前日に訪問の連絡があったが、橋田氏はきっぱり断ったという。それでも彼はやって来た。
橋田氏:「橋田さんですか? 勅使河原です」と自宅の敷地にまで入ってきたので、「出ていってください!」と慌てて前の道路まで出ていかせた。地元紙の記者さんに電話で相談すると、「警察に連絡したほうがいい」と言うので通報したんですよ。警察が来るまで10分はなかったと思います。その間、彼はカバンを持ったまま敷地に入ってきた。カバンの中に凶器が入っているんじゃないか、殺されるんじゃないかと思いましたよ。そして、「1対1で話がしたい」とか「メディアには出ないでください」と言っていました。私が「息子は教団に苦しめられて死んだ」と言うと、「すみません」と言っていました。
自殺した長男について謝罪の言葉があった。ところが会見では、このやり取りがすべて否定されたわけだ。
異常が分かってない
橋田氏:被害者が教団に対し何を言ったところで、彼らは認めないということがよくわかったでしょう。
テレビで流れた元妻の映像はモザイク処理されていたが、教団の公式ホームページに掲載されている動画は未処理のまま。本名まで記されている。
橋田氏:私には死んだ長男のほか次男もいます。もちろん統一協会の信者ではありません。それなのに、彼らの母親まで引っ張り出した。これ以上、私の家族をバラバラにしようというのでしょうか。
勅使河原氏は1992年、元新体操選手の女性タレントとソウルの合同結婚式に参加した。その後、女性が教団から脱会したため結婚には至らなかったが、その際に彼が取った行動が興味深い。勅使河原氏の元を去った女性に対し、彼は婚姻関係の継続を求めて「直接会いたい」と訴え、それが叶わないと、かつて彼女からもらったラブレターをテレビで公開したのだ。女性はこの映像を見て、きっぱり別れることを決意したという。
橋田氏に対しては、「1対1で話がしたい」と突然訪ね、それが無理となると元妻を会見で公開したのだ。30年前と行動パターンが似ているような……。
橋田氏:常識がないんですよ。自分たちの主張ばかりで、しかもウソ。本人たちはそれが異常だということが分かっていないから、世間からどう見られるか想像できないんでしょう。
[1/2ページ]