「山際大臣」はなぜ地位にしがみついた? 背景に「学歴へのこだわり」……口癖は「強くなきゃ駄目だ」
大学受験失敗と苦学生時代
10月24日、統一教会問題で追及を受けてきた山際大志郎前経済再生担当相(54)は首相官邸を訪れて、岸田文雄総理に辞職を願い出た。しかし、教団との関係を認めてから辞任までに、なぜ76日もかかったのか。その理由は、山際前大臣のキャリアを振り返ると見えてくるのだ。
***
山際氏は1968年、東京都小金井市に生まれる。父親は東大を卒業後、古河電工などを経て経営コンサルタントとして独立したエリート。山際氏は中学卒業後、名門・湘南高校に進学したが、卒業後、大きな人生の障壁にぶつかる。
「彼は理系クラスで獣医を目指したのですが、だいぶ受験では苦労したみたい」(高校時代の同級生)
2浪の末に山口大学農学部獣医学科に合格するも、大学生活は華やかさとは無縁で、
「大学のすぐ近くにあって家賃の安さが取り柄であるものの、風呂、トイレ、キッチンは共同という古びたアパートに下宿していました。生活費を節約するために自炊していたのですが、キッチンは冬でもお湯が出ないので、“お風呂場でお皿を洗うんだ”って話していたのを覚えています」(大学時代の友人)
“学歴ロンダリング”
若くして辛酸をなめていたわけだ。もっとも、すぐにリベンジは始まる。
父親への学歴コンプレックスもあったのか、東大の大学院に進学。99年に獣医学の博士号を取得し、いわゆる“学歴ロンダリング”に成功したのだ。そして、翌年には川崎市内にペットクリニックを開業するのである。その3年後には衆議院選挙で初当選を果たすのだから、まさにトントン拍子といえるだろう。
山際前大臣をよく知る人物が明かす。
「口癖は“強くなきゃ駄目だ”。反対に弱さは認められない。東大の大学院に入ったのも、大臣ポストにこだわるのも、社会的な“強さ”を求めた結果。逆に、選挙パンフレットのプロフィール欄からは山口大学の学歴を削除していますよ」
今回の場合、彼の粘り“強さ”が辞任時期を誤らせ、結果として岸田内閣へのダメージを大きくした、ということだろうか。10月27日発売の「週刊新潮」では、岸田総理がいま最もおびえている「辞任ドミノ」のシナリオについて、ターゲットとなる人物の名前とともに詳報する。