【パ・リーグ】即戦力の新人選手総点検 ドラフト上位で合格点はたった一人だけ
3位、4位は
3位は65点で福岡ソフトバンクホークスである。社会人ドラ4野手の野村勇の活躍が大きかった。開幕1軍を掴むと足のスペシャリストとして代走起用がメインだった。だが非凡なパンチ力をみせつけるとスタメン起用が増え、結果97試合に出場。打率2割3分9厘、10本塁打、25打点をマークした。この10本塁打は、1リーグ制時代の1939年に鶴岡一人が樹立した球団新人タイ記録で球団史に名を残すことに。今後チームをけん引していくであろう期待を大いに抱かせた1年目のシーズンとなった。
ドラ2の大卒野手・正木智也は1・2軍を行ったり来たりしながら計35試合に出場し、打率2割5分4厘、3本塁打、5打点をマークした。シーズン終盤にはスタメンにも名を連ねることが多くなり、来季、大きく飛躍するためのきっかけとなったはずだ。
50点で4位は埼玉西武ライオンズとなった。隅田知一郎、佐藤隼輔という大学屈指の左腕を1・2位で獲得し、両ルーキーへの即戦力としての期待値はかなり高かった。だが、結果は明暗がくっきりと分かれた。開幕2戦目を任された隅田はプロ初登板初先発初勝利を飾るも以後負け続け、パの新人としては史上初の10連敗を喫した。6月上旬に2軍落ちするまでは試合を作りながら白星が付かない不運もあり、計16試合に登板して1勝10敗、防御率3.75という成績は本人的にも悔しいところだろう。
対する佐藤は当初、中継ぎ起用の予定で開幕1軍入りしたが、今井達也の負傷離脱に伴い急遽配置転換された。開幕から先発ローテーションに加わると前半戦で9試合に先発し、3勝3敗。“先発3本柱”と期待された今井の穴を見事に埋めた。後半戦は中継ぎとしても登板し、1年目から貴重な経験を積むことになった。計12試合に登板し、3勝4敗、防御率4.60という数字を残している。
大卒ドラ3捕手の古賀悠斗は5月5日の試合でプロ初出場初先発出場を果たすと計26試合に出場し、打率1割5分5厘、1本塁打、4打点をマーク。将来の正捕手となるための貴重な経験を積む形となった。
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