「捨てろ」「捨てない」で大げんか… 高齢者が子どもともめずに家を片づけるテクニックとは
失敗パターンの典型例
こうして円滑に片づけを行う環境を整えた上で、実際に家の片づけを始めるにあたり重要なのは順番です。
ありがちなのは、お客さんを迎え入れる場所であり、“家の顔”ともいわれる玄関から片づけを始めるケースですが、これは「片づけ失敗パターン」の典型例です。なぜなら、このやり方だと、せいぜいよく使う玄関とリビングが、ある程度片づいたところで満足してしまうからです。目につくところだけを整理しても、それは「見た目」をきれいにしただけで、「本質的な片づけ」にはなっていません。家全体は片づいていないのですから、すぐにリバウンドしてしまいます。
片づけは物置から
したがって、最初に片づけるべき場所は押し入れや納戸、そして外に物置があればそこからです。いずれも奥行きがあり、何でもしまえるので、奥に何を入れたかなんてもう忘れている。特に物置は要らないもので溢れています。私はよく「物置はゴミ置き」と言っているのですが、はじめに押し入れ・納戸・物置にある不要なものを処分するとスペースができます。そこに本当に必要なものをしまっていくことで、本質的な片づけができるようになるのです。
こうして納戸・押し入れ・物置にスペースを作ってから、洗面所、トイレ、キッチン、リビング、玄関の順番で片づけをする。「目につきやすい=片づけたい」場所を最後に回し、片づけたくない場所から手をつけていくのです。そうすれば、見た目がきれいになったからと満足して途中で止めてしまうリスクは減る。後は日常的な細々とした掃除をするだけでリバウンドは防げます。
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