「捨てろ」「捨てない」で大げんか… 高齢者が子どもともめずに家を片づけるテクニックとは

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親世代は「捨てるものなんてない!」

 戦中、戦後のもの不足の時代を潜り抜けてきた親世代は「捨てるものなんてない!」と主張し、ミニマリストやノマドがもてはやされる時代を生きる子ども世代は捨てたがる。捨てるという行為自体にある種のカタルシスを覚える人もいます。もし捨てて困るような事態になったとしても、またアマゾンで注文すればいいじゃない、2、3日で届くんだし――と考えるのです。

 この埋め難く、深刻化している「片づけ世代間ギャップ」にどう対処すればいいのでしょうか。

 まずは、やはり「片づけとは何か」を理解し合うことです。

 繰り返しになりますが、何でもかんでも処分すればいいというものではありません。大事なものまで捨ててしまい、後から「取っておけよかった」と後悔している方を私は多く見てきましたし、先ほどのアルバムなどは、それを見るだけで元気になれることもある。そんなものまで捨てたら、日々の生活の活力まで失われてしまいます。

足腰がしっかりしているうちに片づけを

 次に大事なのは、年齢によって異なる「片づけ力」を知ることです。

 年を重ねるごとに、家の中にものが増えていくのは事実です。一方、ものの増え方に反比例して、加齢による体力低下のせいで整理整頓する力は衰えていき、ものが増える勢いに追いつくことができなくなっていきます。

 高齢になって足腰が弱くなると、ものを運ぶのが難しくなりますし、物忘れも出てくるので、それまで難なくできていたゴミ捨てを忘れてしまうこともある。さらに、目も少しずつ悪くなっていくので家の汚れにも気付きにくくなり、いつの間にか汚部屋と化す。食品の賞味期限表示などは老眼鏡をかけないと見えず、期限が1年以上も過ぎている食品を見つけた子どもにあきれられる。老化とともに片づけ力が低下していくことは避けられない現実なのです。従って、足腰が動き、視力もしっかりしているうちに、ちゃんと家の片づけをしておく必要があるわけです。

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