恩師、元チームメートが明かす村上宗隆の素顔 清宮への嫉妬、宮本コーチの説教に涙した秘話も

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「守備はまだ発展途上」

 その3年後、球界ナンバー1打者に上り詰めた村上。

 決してエリートではなかった男がライバル・清宮を引き離すどころか、王貞治の記録をも超えたのには、何よりこうした熱い魂が原動力となったのだろう。

「それでも、守備はまだ発展途上ですよ」

 と「鬼コーチ」宮本氏は注文も忘れない。

「スローイングで体を横に使う癖がまだ直っていません。これは入団当初からですね」

 ただ、としてこうも言う。

「村上のユニフォームを見てください。いつもきっちり着こなしていませんか。ダボッとしたり、胸元のボタンを外したりする選手が目立つ中、彼にはそれが一切見られない。三冠王もホームラン56本ももちろん立派ですが、子どもたちの憧れである超一流選手が、常にそうした姿勢を保ち、模範となっていることが何より素晴らしいと思います」

 平成生まれの令和の三冠王は、どこか昭和の香りのする男。

 故郷・熊本の阿蘇山のように、村上の心身にはまだまだでっかいマグマが宿っていそうである。

週刊新潮 2022年10月20日号掲載

特集「『令和の三冠王』は『昭和』の男 『王貞治』を越えた“肥後もっこす” 『村上宗隆』の原点」より

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