恩師、元チームメートが明かす村上宗隆の素顔 清宮への嫉妬、宮本コーチの説教に涙した秘話も
「守備はまだ発展途上」
その3年後、球界ナンバー1打者に上り詰めた村上。
決してエリートではなかった男がライバル・清宮を引き離すどころか、王貞治の記録をも超えたのには、何よりこうした熱い魂が原動力となったのだろう。
「それでも、守備はまだ発展途上ですよ」
と「鬼コーチ」宮本氏は注文も忘れない。
「スローイングで体を横に使う癖がまだ直っていません。これは入団当初からですね」
ただ、としてこうも言う。
「村上のユニフォームを見てください。いつもきっちり着こなしていませんか。ダボッとしたり、胸元のボタンを外したりする選手が目立つ中、彼にはそれが一切見られない。三冠王もホームラン56本ももちろん立派ですが、子どもたちの憧れである超一流選手が、常にそうした姿勢を保ち、模範となっていることが何より素晴らしいと思います」
平成生まれの令和の三冠王は、どこか昭和の香りのする男。
故郷・熊本の阿蘇山のように、村上の心身にはまだまだでっかいマグマが宿っていそうである。
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