恩師、元チームメートが明かす村上宗隆の素顔 清宮への嫉妬、宮本コーチの説教に涙した秘話も

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 今年のプロ野球、いや日本スポーツ界で最大のスターといえば、この22歳である。18年振り、もちろん令和になって初めての三冠王にして、日本人としての年間最多本塁打記録を更新した村上宗隆。入団5年で王貞治の記録を打ち破った、「心技体」の原点を探る。

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「(コーチは)僕のことが嫌いなんでしょ!」

 今から3年前、当時ヤクルトスワローズでヘッドコーチを務めていた宮本慎也氏は、村上からそう打ち明けられたという。

 村上はまだ入団2年目の19歳、対する宮本氏は名球会入りした名選手にして、球界一の鬼コーチとして知られた存在であった。

「その時、球団は村上と、先輩の廣岡(大志。現・巨人)の二人に大きな期待をかけていましてね」

 と振り返るのは、当の宮本氏である。

「だから私も厳しく接しましたが、二人ともそれが不満だったようで態度に出ることがあった。そこで彼らを呼び出し“言いたいことがあるのなら言ってみなさい”と尋ねてみたんです」

“宮本なんか黙らせてやる”

 すると、冒頭のように口火を切ったのが村上だった。

「どの選手も好き嫌いはない。ただ、お前たちは期待されていて、現場を預かる俺たちも何とか戦力にさせたいと思っている」

 そう諭した宮本氏に対し、村上が、ある選手の名を挙げて再び突っかかる。

「でも○○さんには厳しく言わない。どうしてですか!」

 その選手は首脳陣からそれほど期待されていたわけではなかった。

「君たちとは立場が違うだろ。なら○○と同じ扱いでいいのか。それなら俺は何も言わないよ」

 再びそう諭した宮本氏。本人が回想する。

「最後は私の言ったことに納得した様子でした。村上という選手は、今の若手には珍しく芯の強さがある。私が彼を指導したのは実質1年でしたが、“宮本なんか黙らせてやる”という気持ちがあったと思う。そしてもっともっとうまくなりたいという姿勢で野球に打ち込んでいた印象があります」

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