こんな言葉でツイッターIDが凍結されるの? 筆者が驚きの経験を語る(中川淳一郎)

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 やられた! ツイッターのIDが凍結(失効/使用ほぼ禁止)され、発言の機会が奪われました。まぁ、私のことが大嫌いな人々がツイッター社の運営者に通報しまくったのでしょう。この半年の間、1度警告が来ました。最初は二つのツイート、今回は三つのツイートに関する警告です。この5発のツイートにより凍結となったのです。

 私自身、新型コロナウイルスについて「そこまで騒ぐほどのウイルスではないのでは? マスクもワクチンも意味ねぇだろ!」といった疑念を呈していたため、「命こそ大事」「コロナは恐ろしい」「マスクとワクチンは素晴らしいものである!」と考える方々から散々叩かれまくっておりました。恐らくそういった方々が運営に対して、とにかくウザい存在である私のことを通報したのだと思われます。

 なんでそこまでコロナを怖がりたいのか……。まぁ、いいですが、前回の二つのツイートと今回の三つのツイートが一体何だったのかを述べます。これらは、運営側が問題視したツイートをキチンと開示してくれるため、明らかになったことです。多分、「えっ? そんな言葉で凍結されるの?」と思うことでしょう。

 前回の二つは「ぱよぱよちーん」です。そして今回の三つは「ジジイとババア」です。前者については説明が必要なため、後に回しますが、「ジジイとババア」については、高齢者の医療費2割負担に対し、左翼臭がプンプン漂う団体による反対のデモが新宿で行われることを受けてのもの。正直、これまでの「1割」が安過ぎたのでは……と私のような健康保険料MAXを支払いながら、まったく病院へ行かない人間は思うのですが、「高齢者をいじめるのか!」とデモが計画されました。

 私は「コロナで散々青春時代を損なう被害を受け、高齢者を守るために自粛生活を強要された若者をさらにいたぶるのか! ジジイとババアはいい加減にせぇ!」という気持ちから「ジジイとババア」を3回書きました。

 これが完全に運営側に「差別」「暴言」として扱われてしまったのです。これを「中川淳一郎嫌い」な連中が一斉に通報し、私は見事凍結されたのです。いやぁ、「お爺様・お婆様」「おじいさん、おばあさん」「高齢者」と書けばよかったわ。

 そして、読者の皆様にはまったく分からないでしょうが、「ぱよぱよちーん」について説明します。これは元々はとある左翼活動家で当時57歳の男性・K氏が使った言葉。元アイドルの千葉麗子さんに対し、ツイッターで「おはよう」と言うところを「レイちんぱよぱよちーん」と書いたのです。

 これがベースとなり、「サヨク」が「パヨク」と呼ばれるようになり、サヨクのことを「ぱよぱよちーん」と呼ぶようになったのです。こうした経緯もあり、「ぱよぱよちーん」は侮蔑の言葉に発展し、今回の私の凍結にも関与することとなったのでした。

 いやぁ~、私は別に「死ね」「この無能」「クソ外道」などと言ったわけではありません。「ぱよぱよちーん」と「ジジイとババア」です。これが今の日本では呟き禁止用語なのです。

 ただ、よく分かりませんが36時間後にIDは復活しました(笑)。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。

まんきつ
1975(昭和50)年埼玉県生まれ。日本大学藝術学部卒。ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目を浴び、漫画家、イラストレーターとして活躍。著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)『ハルモヤさん』(新潮社)など。

週刊新潮 2022年10月20日号掲載

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