LUUPは飲酒対策強化も 電動キックボードがはらむ「ヘルメットはダサい」のジレンマ

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 先月25日、東京都中央区のマンション内の駐車場で、電動キックボードに乗った52歳の男性が車止めに衝突、転倒し死亡するという事故が起きた。飲酒運転の可能性が高いとみられている。事故を受けて、レンタル業者は新たな飲酒運転対策を打ち出したが、専門家は他にも必要な対策があると指摘する。

起こるべくして起きた事故

 死亡した男性は、電動キックボードのレンタルサービス「LUUP(ループ)」を利用していた。ミントグリーンの車体が印象的なLUUPは、政府の特例措置のもと、昨年4月から国内で初めて電動キックボードのレンタルサービスを開始した先駆けでもある。

 事故を受けて、LUUPは飲酒運転対策の強化を発表。繁華街に近い都内の一部ポートでは、一定期間午後10時から午前6時まで警備員を配置することや、乗車前にアプリに表示される飲酒運転の注意喚起画面の内容を変更することなどが盛り込まれている。

 日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長で株式会社ディ・クリエイト代表の上西一美氏に訊いた。

「電動キックボード全体が危険なイメージになってしまっていますが、免許証の登録や交通ルールの啓発などの対策を行っているレンタル業者と個人所有のキックボードに乗っている人とでは 、安全に関する意識に大きな差があると思います。とはいえ、ルールの整備が間に合っていないというのは確かで、起こるべくして起きた事故だと思います」

 更なる重大事故が起きる可能性も指摘する。

「今回は単独の死亡事故でしたが、キックボードが人に衝突して死亡させてしまう事故がいつ起きてもおかしくはありません。改正道路交通法上、『特定小型原付』に分類される電動キックボードの最高時速は20キロです。これは、普通の自転車、いわゆるママチャリと同じくらいの速度。高校生が乗る自転車が高齢者に衝突し死なせる事故も起きていますから、電動キックボードでも人を死なせてしまう可能性は十分あります」

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