「レオパレス」幹部が告発する「入居率工作」と「家賃未回収額」激増の実態 経営陣が主導

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至誠要望書

 全賃貸物件に対する入居状態の部屋の割合を示す「入居率」は、アパート経営の命綱。3年前に「施工不良問題」が相次いだ「レオパレス21」では、経営陣主導のもと入居率の「数字工作」が行われていた。

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 施工不良問題を機に、レオパレスの入居率は低迷した。深山英世(みやまえいせい)社長が引責辞任した19年5月の入居率は81.95%。以降も下げ止まらず、20年12月には77.07%に。リーマン・ショックの後遺症が残る10年7月の78.43%を割り込む有り様だった。

 ところが、昨年3月から、損益分岐点の目安とされる80%の大台を維持し始めたのだ。その最中の昨年10月、「至誠要望書」というタイトルの内部告発文書がレオパレスの社外取締役である弁護士やコンサルタントなどに送り付けられた。

〈社長が交代して、わずか24ケ月の間に、未回収額が凡そ3倍の(ママ)膨れた背景には、(略)審査不合格の対象者まで契約を促進、表面入居率を上げさせ、質の悪い(家賃を払わない)入居者を斡旋させた事〉と始まり、〈賃貸事業部責任者佐々木常務の指示で、万が一従わない場合、気にいらない社員は左遷されるために言うことを聞かざるを得ません〉

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