安倍元首相は「国賊」なのか 村上誠一郎発言を巡る報道で透けて見える朝日新聞の本音

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「国賊」をカット

 朝日新聞は21日の夕刊で、村上氏の発言を記事にする。だがその際、「国賊」の二文字を削ってしまった。

「報道各社は、時事通信が20日に報じた記事のうち、村上さんの『国葬欠席』のみを後追いしました。21日には、NHK、共同通信、読売新聞、そして朝日などが、『村上氏、国葬欠席へ』と報じました。ところが朝日は奇妙なことに、記者が村上さんの『国賊』発言を耳にし、時事が報じていたにもかかわらず、21日の紙面では、それを書かなかったのです」(前出のベテラン記者)

 論より証拠、朝日新聞が21日の夕刊に掲載した「元行革相の自民・村上氏『国葬辞退する』 『安倍氏、財政・外交ぼろぼろに』」の記事から該当部分を引用しよう。

《村上氏は20日にも朝日新聞などの取材に対し、「安倍氏は財政、外交をぼろぼろにし、官僚機構を壊したとの見方もあり、その責任は重い」などと語り、安倍氏のことを批判していた》

 時事通信の記事と比較すると、《官僚機構を壊した》までは同一と言っていい。ところが、「国賊」の文言だけが綺麗に消されたことが分かる。

腰の引けた朝日

 翌22日、毎日新聞は朝刊で「安倍元首相銃撃:安倍氏国葬 自民・村上氏は欠席へ」の記事を掲載した。毎日は村上氏の「国賊」発言を取材していないためか、以下のように記述した。

《時事通信は20日、村上氏が党本部で開かれた総務会後に、安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と発言したと報じた》

 同じ日の朝刊で、朝日新聞は「村上元行革相、国葬欠席の意向 安倍氏を『国賊』、党内で批判続く」の記事を掲載した。この時になって初めて、「国賊」の二文字を使った。

《村上氏は20日に朝日新聞などの取材に対し、国葬の決定過程などに疑義を唱えた際、安倍氏について「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に選挙まで手伝わせた。私から言わせれば国賊だ」と述べた》

 朝日は時事と共に、他紙は書けない記事を配信することが可能だった。ところが、なぜか“後出しジャンケン”の紙面展開に終始した。

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